ステージ5 国を挙げての一大イベント

 もはや私のことを知らないものはいなくなった。


 絶望した題材の作者が自殺未遂とかやってたがそのおかげで話題性も上がり良いことずくめだ。


 そしていよいよ歴史に名前を刻む時、国を挙げての一大イベントに参加だ。


 当然その分忙しくもなる。


 ここで最期のスキル、禁断のとっておきを披露する時が来た。


『コピー』


 題材をそのままコピーして作品として出す。


 題名と作者名だけ変えただけ、素材持ち味そのままお届けだ。


 本来ならば同調率100%でダメなのだが、ここまで私の名が高まり、かつ題材の元の評価点がさほどでもない場合、圧力によって同調率が95%の扱いとなる。


 物事の真実よりも誰が描き、誰が評価し、誰が値段をつけるかが現代アートの全て、逆らえるものなどほとんどいない。


 これが最期の作業、1,000枚仕上げれば栄光が手に入る。

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