アイドル!!

モノ柿

第1話 主人公なら


 キラキラ光る。

 大音響の中で、歌い、そして踊る。

 壇上を見上げる僕たち観客は、君に見惚れながら。


「いっくよぉぉおおおお!!!!」


「「「おおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」」」


 全力で、ついていく!




*※*



 ねえ、どうだった?

「最高だったよ! 周りののお客さんたちと仲良くなっちゃって、ほら! SNSもフォローしあっちゃって!」

 そっか。

「そういえば2曲目の衣装すごいかっこよかったね、新曲にもあっててダンスと相性バチバチで見てるだけで燃えた!」

 あれね、すごいこだわっててね。

「やっぱり? 太もものぎりぎりのラインを攻めてる感じが曜ちゃんっぽかった!」

 最初はぎりぎりすぎてパンツ見えちゃってたの。

「そんなに!?」

 結局黒タイツ履いてカバーしてたでしょ?

「そういえば……。じゃ、じゃあ5曲目のスカートは? ピンクって陽ちゃんっぽくない感じだったけど」

 そう? 似合ってなかった?

「ううん逆逆!! イメージになかったのにすごい似合ってたし、曲にもマッチしてて、だからすごいびっくりしたの!」

 1個前にバラードやるからさ、気分変えるためには一発何かやらないとと思ったの。でもまさか倒れる人が出るとは思ってなかったけど。

「あー、あれは僕もびっくりした。隣の、このイマイマさんがキャワイイって呟いて泡吹いて倒れた時はどうしようかと……」

 上からでもみえてたよ、慌ててる姿。

「すんごいびっくりしたんだって!!」

 でもその後急に起き上がったよね。

「そう! ばあちゃんが河渡ってぶん殴りにきて目が覚めたって言ってた」

 向こう側からくることもあるのね……。

「いや、全然元気らしい」

 紛らわしい!!

「あ、でさ! その後のダンスなんだけど───」


 僕の1日はこうして過ぎる。

 ライブの後、君はいつも僕に付き合って、こうして僕はまた、熱に浮かされていく。



 

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