二十二話 武闘祭、開催
ついに始まった武闘祭。ここには様々な人がくるらしいが、自分の級と違う人とは戦えないそうなので、俺達は、全員肆級の大会に参加する。俺等肆級の大会はに一人辺り最高五回戦で、全試合総数三十二回戦だそうだ。それと俺と柚香は準決勝で、徹とは決勝で会えそうだ。
「さてと、今日は目一杯自分の技を試して、もっと良くしていこうか。頑張ってよ!」
「はい!」
「それじゃあ、俺は次が試合だから、先に行ってる。徹、目に物を見せてやるからな!覚悟しておけ!」
「わかった。覚悟しておく」
取り敢えずは、この試合を勝たないと。油断して良いのは確認がとれたときだけ。いついかなる時も予想外は付き物。本気だすか…
――――――――――
「第一回戦、開始します。両者準備はよろしいでしょうか?」
「はい」
「問題無い」
「それでは第一回戦!始め!」
まずは観察だな。相手がなんの型なのかを見極めないと。まぁ、相手なんか知らないけど、こっちを蔑んだ目をしてくるし。
「動波」
いきなりの広範囲攻撃だが、正直ここからなら、変術型の射程圏内。そしてアレは届かない。
曲がる弾なり消える弾でも撃てば勝てるだろう。普通は。ただ、俺は気力が少ない。
距離は問題無い。それが変術型の長所だから、でも相手が倒れるまで打ち続けることはキツイとしか言いようがない。
「どうした!!安全圏からしか撃てないか!その剣は飾りか!?」
あぁ〜面倒。被弾覚悟で
その後は…その時に考えるか。
「わかったよ。行けばいいんだな…」
そこからは流れ作業で、まず特攻されることなど考えてなかったのか、相手の対応はグダグダ。
そして、俺の攻撃を避けようにものろまで、俺が変術型であることも覚えてなかったのか、背中を見せて距離を離していた。
「一回戦!勝者、五十嵐!」
本気で希望を潰して戦ったが、正直のところ危なかった。
気力の出力なのかそもそもの量なのかは知らないが、その部分が他と劣ってしまっているのが辛いところだ。
「日里士。もっといけたんじゃないか?」
「いけた。けど、必死だったんだよ。なにげにあの広範囲高威力の一撃は本当に良くない。突っ切るのもリスキーだしな」
「…同感だな」
そう言って見るのは、やはり柚香。あいつは俺等の中で一番ヤバイかもしれないな…
「まぁ、いいか。次は俺の試合だから行ってくる」
そういえば徹が最近、本気出してるところ見たことないな。なんか最近は疲れてちゃんと力が出せないとか言ってたような…
「がんばー」
深くは考えなくていいか。あいつなんやかんやで滅茶苦茶なことしてるし。
――――――――――
「第二回戦。開始!」
徹の相手はガタイの良い男だ。名前は真澄と言うらしい。なんで知ってるかは、始まる前にデカデカと自分から言っていた。何なら自分の型もいっており、武具型らしい。
「さぁ!始めよう!」
「いや、準備はとっくにできてるから。いつでもきて大丈夫なんだけどな…」
徹が凄いやりづらそうにしているな。ここでも礼儀正しいところを出しちゃってるな…
というかアイツ何なんだ!?剣を出し続けて、折れては他に変えて、強度というモノを無視して剣の鋭さを求めた結果か?
「ほら、速く動くだけか!」
徹もデタラメに動く真澄に武器を壊して対応するも、すぐに次の剣がきて、だんだんと対応が追いつかなくなっている。始めにおこなっていた刻印の効果が薄れてきたな。
「駄目だ。剣が…追いつかない。なら!残し!」
残し。技名ですらないような名前だけど、効果はそこそこ強い。まず、刻印型は気力を纏わせて、纏わせたところを通して気力を溜める、そして気力の量を高めて身体を強化するものだ。
実は自分に使うのは、強くはなるものの、他人に使うときと比べて効果が薄れているので、良くはないのだ。
話は戻すが、その纏わせて溜めるが、それは異常な状態のなので、元に戻ってしまうらしい。そのデメリットを自分限定で無くす。そんな効果だ。
それで、急激に速くなった徹に対応はしていたが、気力が失くなったのか、次の剣を作れておらず、耐久戦で徹は勝利したのだった。
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