ゲームするだけで稼げる世の中に~クリエイトモンスターズ~

ウメとモモ

第1話 遊んで稼いで不労所得を得るためのはじまり

インターネットが普及している昨今。人の稼ぎ方というのが大きく変わった。


昔は汗水垂らして働くのが普通だったが今では動画配信者や物書きとインターネットを通じて稼ぐ人が多くなっている。


そしてインターネットの中のデータにも価値のある時代になった訳だが今1番人気のある稼ぎ方は【モンスターのデータを売れる】ようになったことだ。



世界でも大人気のゲーム【クリエイトモンスターズ】はゲームのモンスターの売買が可能だ。


クリエイトモンスターズはモンスターを捕まえたり貰ったり作ったりと色々な方法で獲得できる。


そのモンスターをユーザーのモンスターと戦わせたりクリエイトモンスターズの世界を旅したりするゲームなんだがその世界で獲得出来るアイテムも売買が可能だったりする。


序盤からでも運が良ければ即決で売れる300~1000円のアイテムも獲得出来る。


進めていくと深い所では100万~1000万円で売買出来るアイテムもあるんだから驚きだ。



モンスターが弱くても能力値や持っているスキルや魔法の属性によっては値段も高値になることがあるから夢がある。




そして何よりもクリエイトモンスターズは面白いし個人が作れるアカウントは1個まででリセマラも出来ない。色々なやり込み要素もあるから飽きもこない。


本当に素晴らしいゲームだ。日本の2人に一人はやってると発表された大人気なゲーム。

今ならアプリを紹介すると紹介した人と紹介された人には特典があるのでまだやってない人はその特典期間にヤった方が良いらしい。




「………ってことでさ?みっちゃんも一緒にやろうぜ!クリエイトモンスターズ!!ゲームとか別に嫌いじゃないだろ?」



「うーん、別にやっても良いけどソコまで面白いのか?」



「絶対ハマるって!!ハマりすぎて仕事辞めた奴もいるくらいだぞ!?

ゲームするだけで収入も億越えする奴もいるしやるなら今だよ今!!

みっちゃん!一生のおねがい!!俺の為だと思ってやってくれ!!

それに一緒にさ!?このゲームで脱サラしようぜ!?俺とみっちゃんならいけるって!!」





俺の同僚の柴田はそう言うと目の前で頭を地面に擦り付けて土下座をした。


俺達はファストフード店で仕事の昼休みに飯を食いに来てたから周囲には人も沢山いる。


そんな中で俺が柴田を土下座させてるみたいな状況になってるが別に気にせずに注文したパスタを食べている。



「モグモグ………別にやっても良いんだけどさ。今はもう自分の時間だけだし。

今日仕事終わったら柴田の送ってくれた紹介状からインストールしておくよ。」




「本当か!?ホントにホントに本当かああ!?みっちゃんマジで神!!あざす!一生ついていく!!」



「………ああ。だからお前も早く食っちゃえよ?もう休憩終わっちゃうぞ?


一生は言い過ぎ………いや柴田ならついてきそうで恐いな………」



人の目を気にせずに大声だして騒ぐのは小さい頃から変わらない。

昔からだから慣れてしまったが俺にも羞恥心は少なからずある。

なのでホントに辞めてほしいんだが言っても聞いた試しが無いので大人になってからは言わなくなっていた。





五月蝿い親友を持った俺は【新沼 充(にいぬま みつる)】

高校を卒業して直ぐに就職したどこにでもいるサラリーマンだ。


そして俺の隣でギャーギャー喚いている男は親友の

【柴田 大(しばた だい)】


コイツは日本でもトップクラスの大学を首席で卒業している天才で高校生の頃には陸上の短距離走でもインターハイの上位でもある文武両道のイケメンだ。


彼女も人気のあるアイドルだったり、芸能事務所に誘われたりと俺とは住む場所が違う人間の筈なんだけど



「みっちゃんいるからきちゃった♪」




と言って俺みたいななんの取り柄もない奴が入社出来るような会社で働くホモやろうだ。


実際にはホモじゃないがやってることはホモそのもの。



「ん?ああ………何かみっちゃんとばっかりいるなとか言われたから別れたわ。それよりもさ………」



「ん?退部したのは何でか?だってみっちゃんもう陸上やらないんでしょ?じゃあ俺もいる意味ないからやめるよ!てか隣のクラスにさ………」



「ああ!てめぇ………みっちゃんに何ケンカ売ってんだ?ああ!?たかが5人で俺らに勝てると思ってんなよ!?」



「イヤイヤイヤイヤ!あれはみっちゃん悪くないっしょ?あのクソハゲキンタマ頭が仕事の効率悪いから良くないだけで………」










というように何でも新沼 充ファーストな柴田だ。




でも俺が彼女できたときはそっちを優先しろって言ってきたり柴田自身は二の次で良いというのが多い。



本当に出来た親友だ。





そんな親友が俺に対してここまでお願いすることなんて今までにはなかったことだ。それなら別にゲームをインストールして遊ぶぐらいならやっても良いがまずは仕事を終わらせて家に帰ったらだな。


今日は金曜日なので明日明後日は休みだし。



残業も今日はないから早めに飯食べて風呂に入り【クリエイトモンスターズ】で遊ぶとしよう。







それから柴田と俺は会社に戻り、いつものように仕事をして、そしていつものように1日が終わっていく。



「みっちゃん今日もおつかれ!!ちゃんとインストールして遊んだら連絡くれよ!じゃあなー!!!」



「ああ。柴田もお疲れ様。分かったよ。少ししたら連絡する。」




会社から出ると帰る場所は反対方向なので柴田とは直ぐに別れた。



帰りにコンビニによって飯とビールを買って帰ろう。



そう思いながら会社を後にして家に帰っていった。



月曜日にはまた会社に来なきゃいけないのかとため息が出たが、それからこの会社に来ることはもうなかった。






この夜にダウンロードした【クリエイトモンスターズ】のおかげで俺の人生は変わったんだ。






そのクリエイトモンスターズがまさか俺のこの世界にまで影響を及ぼすなんて





この時は微塵も思わなかった。







そして親友の柴田が







あんなことになるなんてことも考えもつかなかった



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る