世界の間
ミカン箱
第1話
異世界に生まれ変わって今と全く別の面白い人生を歩みたい、特撮モノの世界を救うようなヒーローになりたい、たくさんの美少女ヒロインに言い寄られて困るくらいモテモテの主人公になりたい。
成長するにつれそんな夢みたいなことを見なくなり、いつしかもう一人の自分が「いつまでそんな子供みたいなこと考えてんだお前はもう立派な大人になったんだから、もっと将来を見据えて人生を歩め」と言い聞かすようになった。
そうだ、もう俺は子供じゃない、大人なんだからもっと勉強して、社会に対するふるまいを覚えて成長していかなきゃならないんだ。
子供だった自分におさらばし、また大人としての第一歩を歩んでいかなきゃならない。
中学を卒業をした俺は高校に進学することが決まったとき、ぼんやりとだがそんなつまらない大人の考えをするようになった。
まあ、そんなもんだろう。
人生になにか期待したところで大きく変わるものではないだろ?
中学まで絡んでたやつなんてほとんどが別々の進路に決まり、俺と同じ高校のやつなんてむしろ少数だ。
多少寂しさはあるがそれと同時にまた新しい出会いもある。
だけど、俺はまだわかっていなかった。
いや、違うな。
知らなかったのは俺だけで、世界は知っていたのだろう。
南米に一匹の蝶が羽ばたけばカルフォルニアで竜巻が起こるような超自然現象をまさか俺が目撃するとは。
では、はじめようか。
まずはあいつとの出会いから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます