野獣の日。~俺、器用貧乏なんですよ。外伝~

さんまぐ

久しぶりの野獣の日。

アクィとの野獣の日。

第1話 アクィとの野獣の日01。

ナハトとの関係を公言した後、妻達の提案で久しぶりに野獣の日をやる事になった。

久しぶりというのも妻ごとに子供達が居るがどうしてもまだ幼かったり、子供同士の仲を考えると親のワガママでやるのも問題ではないかという話になっていたからだった。


そして野獣の日と言っても子供達も大きいので前のように一日中アイリスの性欲に付き合う事もない。妻達はそれでもと言うので子供達の意見も聞きながらやる事になる。


ミチトはメロとの日を重要視していて、専用で3日用意する案から5年前にあった結婚式のように全部の日にメロを参加させると言っていた。

これにメロは「パパ、メロは無しでもいいよ?」と言うが即座に「絶対やだ!メロは全部だよ!」とミチトは頑としてメロとの日々を譲らずに、最終的な落としどころはメロはどの日も1日目だけは娘として参加をして残り2日からは手を引く話になってミチトは不服そうだったが皆から子離れしなさいと言われてメロの案を受け入れた。



この次の問題は順番で、民主的に?タシア、トゥモ、ジェード、ロゼがジャンケンをする事になり、勝った順にミチトの日を得られる事になる。


その結果、アクィ、ライブ、リナ、イブの順番になり、ビリだったロゼは自身が出してしまったパーの手を見ながら涙目で今にも泣きそうだった。


だがそこはイブがうまく誘導する。


「やりましたね!ロゼはちゃんとラミィちゃん、ジェードちゃん、タシアちゃん達からパパと何をしたかを聞くんですよ!それでやりたい事が出来たら全部パパにお願いするんです!」


とんでもないイブの話だが、あながち間違っていない。

ロゼは涙目で「全部?」と聞くとイブが「そうですよ!これは後になるたびに焦らされるけど最後が1番楽しい奴ですよ!」と言った。


この言葉にロゼは涙を止めて1番手のラミィの前に行って「ラミィ、楽しんできてね!」と声をかける。

ラミィは「当然!貴い者としてロゼに全部教えてあげるわ!」と言う。



こうして始まった野獣の日。

1日目は「メロ?行きたい?」と聞くとメロも「いいの?サルバンだよね?」と聞くが今回のミチトは首を横に振ると「パテラさんとノルアさんを誘ってナハトの所、気になるだろ?」と言うとメロは目を輝かせて「うん!」と言う。

メロの返事を聞いてからアクィを見て「アクィ、いいよね?」と聞くミチト。


「え?ママのお許し得てないの?」

「今日はメロに使うんだよ」


ミチトはリナ達に行ってくる旨を伝えてさっさとサルバンに行くとパテラとノルアを誘う。

玄関で待っているとヒノが出てきて「ミチト、コイツ邪魔だから連れて行って」と言って横に立つスカロを指差す。


「え?邪魔?」

「そうよ。ロキの奴から王都で結婚して何年も経つのに子供がいない事を訝しむ奴が居るって話を聞いて子供を作る算段を始めたら「そんな、偽装結婚なのに子供なんて」とぶつくさ言い出して邪魔にしかならないから連れて行って」

この話の最中も隙あらば説得を試みようとする素振りのスカロ。

そして話しかけんなオーラ全開のヒノ。


「スカロさん?」

「伴侶のヒノよ、思い直せ。お前はまだ若く美しい。それなのにサルバンの為に子を授かるなんて…」

スカロはミチトの呼びかけを無視してヒノを説得している。

重症具合に唖然としているとアクィが「兄様って落ち込むと長いのよ」と説明をした。


「姉様?ばあやとやれますよね?」

「やれるわよ。その邪魔虫が耳元で思い直せ考え直せって言う方がイラついて足手まといよ」


足手まといと言われて傷つくスカロを見てアクィが「ふふ。なら兄様はミチトの作った軽神鉄の剣を持ち出してください」と言う。


「何?」

「前に話したでしょ?一度サルバンに来たナハトって子がミチトの弟で兄様が使う剣が得意だけど師事してくれる人が居ないから我流なのよ」

スカロはナハトを思い出しながら「まあ…それならな」と答える。


「ああ…ナハトね。スカロ、大振りの剣でも私の教えた攻撃が出来る様に仕込んできて」

ヒノが無視ではなかったことが嬉しかったのかスカロは少し嬉しそうに「…任された」と言った。



一応王都に着くとモバテとアプラクサス、シックに声をかける。

騎士団はアプラクサスの管轄なのでアプラクサスだけでいいのだが、放っておかれた2人がヘソを曲げてしまうのでミチトは3人に声をかける。


これは最近になってベリル、ロゼ、トゥモはヤキモチ妬きで普段以上に3人同じにしないといけないと知った時にリナから「アプラクサス様達と同じだよ」と言われたことから始まっていた。


「おお、珍しい面子で来たな。久しぶりに奥さんごとの日なのか、それで今日は?第三騎士団?成程な」

「いつもありがとうございます。それではよろしくお願いしますね」

「後で参観させてもらうよ」


堂々と行こうとするとメロが「パパ、メロも使うからパパも認識阻害術使って」と言うので言う通りにすると第三騎士団はダレていた。

シヤとイイヒート、それとナハトとナノカを含む数名はイイヒートの後を着いて走るが、シヅ達は「まだ訓練開始前だろ?シヤ達も休憩しておけって」と言ってノンビリとしている。


そのだらけた姿と言ったら見ていられなかった。

その姿を見て「ふふふふふ」と笑ったメロは怖い。


「パテラお兄さん、いつでもいいよね?」

この言葉にパテラは何かと聞くわけでもなく「応!任せろ!」と返す。


メロは「ちょっと待ってね」と言うと遠距離の伝心術でライブにその姿を見せて「ライブお姉ちゃん、メロがやってもいいよね?」と聞く。


ライブは「うん。私の日もガツンとやるけどメロもよろしく」と返すとメロはパテラを連れてシヅの前まで認識阻害の状態で歩く。

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