第5話


 あたし、マンドラゴラ! マンドラゴラ・オフィシナルム! ここは縮めてマン・オフィって呼んで! それともドラ・シナ? いっそのことゴラ・ルム? どれがいい? ねえ? ねえ? ねえ! ……ハイ、正解。女の子が選択問題出してきた時って、基本全部不正解なの……。どれを選んでも機嫌悪くなる生き物……、それが、オンナノコ。あたしは魔法植物少女だからそんなのどうでもいいの! 答えは4番の「マンドラゴラさん」ね!


 どの選択肢を選んでも、何を答えてももう無駄な抵抗の魔女裁判! 真実はいつも一つってね! うるせえ! 二つあることだってあるよね! 魔女ではない! かつ! 自分を陥れようとする人物がいる! この二つの真実があったら冤罪不可避な弾劾裁判! まあもしホントに魔女だったらあたしの絶叫毒を使って魔女裁判官を簡単に葬れるんだしさ! 裁判官とサイバイマンって似てるね! あいつもマンドラゴラの一種かな!


 回避不能の魔女裁判にもちょっとは冤罪防止策が施されてたみたい! あいつは魔女だって密告された容疑者がもしも水責めで浮かんで来なかったら善良な市民認定でしょ? そしたら善良な市民を密告した奴は人を陥れる魔女かもしんないって念のため密告者も魔女裁判にかけとくの! どうあがいても関わったら詰み!


 あたしを採取してぶっ飛べるおクスリを作ろうとしたら魔女認定即刑執行! ……ところで、そんなあたしに近付いて、……話を聞いてくれるあなたは何者……? ……魔女? ……それとも、42歳住所不定無職男性魔法少女? ……どっち? ねえ……。どっち? ねえ! ねえってば! ハイ、答えは3番のおトモダチィギニャアアアァァァッどう答えたって無駄よおぉっ!




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