彼女と食べもの半分こ日記。

@kirara9-10

第1話 僕の彼女。

これから毎日、僕の彼女との半分こを日記にしていこうと思う。


僕の彼女は、はっきり言って食いしん坊だ。

食べることが大好きで、とにかく食べる。

ただ、太ったりはしてない。標準体型で、女子らしい体型をしていて可愛い。


顔は童顔、短く切りそろえられた前髪が特徴的で、サラサラで、ふわっと靡く髪もチャームポイント。


ほわほわした女の子で、名前は白野沙奈。

沙奈はにこにこ笑顔が可愛らしくて、女子の友だちも多い。男子の友だちも多いが、僕と付き合っていることは皆が知っているので、言い寄る人は特に無し。


優しくてユーモアのある彼女、ではあるのだが…少し問題もある。


***

今日の放課後のこと。

「あ、沙奈、それ最近有名な店のシュークリームじゃん、一口ちょうだーい。」


そう声をかけたのは沙奈の親友の加菜子。沙奈の手には大きいシュークリームを指さす。


「…や。」


「えー!?この前もくれなかったじゃん!けち!」


「…やなもんはやー!」


「…いったい誰なら沙奈から食べもの半分こしてもらえるんだ…あ、もう委員会の時間だから行くわ。二人ともばいばーい。」


加菜子は諦めて、どこかへ行ってしまった。

沙奈はあたりを確認して、こそっとシュークリームを半分こする。


すると、誰もいないのは知っているのに彼女は決まって僕の耳元でささやく。


「…はい、けーにはあげるね。」


「ははっ、ありがとう。」


彼女は僕、成瀬圭には半分こをしてくれる。


***

普段は寛大な彼女は、途端にけちんぼになる。

それは僕が特別の様で嬉しいけれど、分けてもらえなかった人が寂しそうだから、少し申し訳なくも思う。

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