第17話 人為的シェーディング
「ただい――」
「おかえりっ!」
保健室に戻ると、なぜか入り口付近で帰りを待っていた令愛が、食い気味に私を迎えた。
そして私の手を握ってぶんぶんと上下に振る。
暇だったんだろうけど、何もここで待ってることないのに……でもちょっと嬉しい。
「その人たちは?」
「紹介するね。こっちが私の妹の」
「倉金真恋やないか! そんでそっちは日屋見麗花。一年生の王子様コンビや!」
紹介する前に、島川くんに全部言われてしまった。
何でみんな私に最後まで言わせてくれないのかな。
彼のテンションは妙に高くて、他の一年生三人組の顔を見ても気分が高揚しているのがわかる。
「昨日も言ってたけど、この二人そんなに有名人なの?」
「そんなもん見たらわかるやろ、この外見やぞ? カリスマ性も抜群で、常に他の生徒に囲まれてるから顔を拝むのも大変なぐらいや」
本当にどこまでも私とは真逆なんだなぁ、真恋って。
ここまで褒めちぎられてるのに照れる様子もないし。
私に対してはあんなに余裕ないのにね。
「会衣には、倉金さんの妹さんが物騒なものを持っているように見える」
「日本刀だわぁ――姉妹揃って同じような力を持ってるってことねぇ」
「ああ、そうなるな。彼が説明してくれたので自己紹介は省こう。生存者がいるとは聞いていたが、明治先生がいるとは思ってもいなかったよ」
「保健室に引きこもってたおかげで助かったのよぉ」
お互いに面識があるのか、そんなやり取りを交わす。
一方で日屋見さんは、品定めするように保健室の中を見回していた。
「あのパン……依里花先輩も購買までは来ていたんだね」
「購買のパンが減ってたのって、日屋見さんたちが?」
「真っ先に食料の確保を最優先したのさ。しかし、あの場所まで来ていたなら1年E組まではあと少しだったね」
どうやら真恋たちが使っている教室までは、そこまで遠いわけではないらしい。
真恋は同等のレベルになるまで戦っていたわけだし、今までお互いに鉢合わせなかったのは運がないというか、あるというか。
「うんうん、生存者たちの健康状態も思ったより悪くなさそうじゃないか。なあ、真恋」
「なぜ私に振る」
「君がどう思ったのか確かめたかったのさ」
「……確かに、まだ依里花を信用していないのは確かだ。だが、私が思っているよりはまともらしいな」
日屋見さんが間に入ったおかげとはいえ、真恋からそういうこと言われると気持ち悪いな。
でも上から目線なのがむかつく。
落ち着け私、事を荒立てたって何一ついいことないんだから。
私はお姉さん、そう言い聞かせておこう。
しかし、胸に手を当て平静を保とうとする私をあざ笑うように、龍岡先輩が動き出した。
彼は真恋の前に立つと、青ざめた顔で口を開く。
「倉金真恋君、あなたに頼み事があるのです」
「あなたは?」
「三年生の龍岡といいます。僕をあなたたちの教室に連れて行ってもらえませんか? どうしてもこの部屋から離れたいんです、お願いしますッ!」
深々と頭を下げる龍岡先輩。
一年生相手にそこまでするなんて、プライドを捨てなきゃいけないぐらい追い詰められてるみたいだ。
「理由を聞かせてもらおう」
疑いの目を向けられて居心地が悪いからでしょ?
「ここの壁に死体が埋まっているんですよ、それが僕と同じクラスの七瀬さんのものらしいんです」
ああ、そっちか。
本音はどうであれ、確かに気味が悪いのは間違いない。
「あんなものと一緒に寝泊まりするなんて耐えられません!」
「死体というのは――」
「ここに来る途中、依里花先輩が話してくれた白骨死体のことだねえ」
そう、戒世教のことを真恋に尋ねたあと、“なぜそんなことを聞いたのか”という問いへの答えとして二人には七瀬さんの死体のことを話した。
それが何らかの儀式に利用された可能性が高いということも含めて。
「にわかには信じがたい話だが」
「なら見ていけばいいわぁ」
先生は慣れた手付きで棚をずらす。
白骨死体がお目見えすると、令愛は恐怖からか目をそらし、私の裾をきゅっと握った。
「これはまた、見事な
「飛び降り自殺と聞いたが、頭部の破損がその傷跡か」
対する真恋と日屋見さんは、躊躇せずに近づいて至近距離で観察している。
「これでわかってもらえたでしょう? お願いします、連れて行ってください!」
「少し考えさせてくれ」
「そんな!」
「明治先生、埋まっている死体はこれだけなのか?」
「私が知る限りはねぇ、でも他にもあるかもねぇ」
「試しに壁を壊してみるなんてどうかな」
「他人の敷地だぞ、麗花」
「さすがに駄目かい?」
と言いつつも、日屋見さんは許可を求めるように私のほうをちらりと見る。
「別に私の持ち物でもないからいいんじゃない? 外に貫通しなければね」
「だってさ」
「だから私に振るんじゃない。こういうのは麗花が向いているだろう」
「エレガントじゃないからあまり使いたくないんだけどね」
そういえば、日屋見さんは真恋と違って武器らしきものを持っていない。
すると、彼女の右腕に灰色の篭手が浮かび上がった。
篭手と言っても、本来の腕より何倍も太くてゴツい。
まるで岩の塊を削って作ったような無骨な見た目していて、確かにエレガントさはまったく感じられなかった。
「まったく、噛まれてもいいようにと身につけていた剣道の篭手が、まさかこんな形になってしまうとはね」
「かなり説明っぽいセリフだね」
「痛いところを突くねえ依里花先輩は。言っておかないと、これが私の精神状態を反映したものだと思われてしまうだろう? 真恋からの借り物がこうなってしまっただけだというのに。ギュゲスという名前も可愛くない」
その力を手に入れた経緯も、乗り気ではない理由もわかった。
ただ、私の“ドリーマー”もどこか嫌味っぽさを感じさせる名前なので、与えられる武器は案外そんなものなのかもしれない。
真恋の刀はどんな嫌な名前を付けられているんだろう。
そんなことを考えているうちに、日屋見さんは“ギュゲス”と名付けられた篭手で壁を殴りつけた。
「仏様まで砕いてくれるなよっ、と!」
格闘技の心得があるのか、腰の入ったパンチだった。
ズドンッ! と部屋全体が揺れ、衝撃音が廊下に反響する。
そして保健室の壁は崩れて、その中から骨らしきものが現れた。
「出てきてしまったようだねえ」
「頭蓋骨が二つ――七瀬さんを合わせると、少なくとも三人は埋められてるんだ」
「こんだけ簡単に見っかってまうんやな」
「もっと沢山……かもしれないって会衣は思ってしまった」
保健室だけとも限らないわけだし。
このペースで見つかったら、下手すら数百体?
「大勢が埋まっているとなると、うちの生徒だけじゃなさそうねぇ。外からも死体を仕入れていたのかしらぁ」
死体を見たときのリアクションは二分されていた。
ゾンビとの戦いに慣れている私や真恋、日屋見さんはともかく、明治先生がずっと平気そうなのは不思議ではある。
「会衣は、七瀬さん一人だけなら何かの事件を隠そうとしてる可能性もあると思ってた。でもこれだけ出てくると……」
「組織的にやってるよね。先生が言ってた儀式説が濃厚かも」
相変わらず確証は無いけれど、可能性はぐっと引き上がった。
「じゃあ本当に学校ぐるみでやってるんだ……」
令愛は不安そうに言った。
まあ、そうなっちゃうよね。
「私、今のところ教師がゾンビになってるの見てないんだよね。真恋はどう?」
「言われてみれば遭遇していないな、生徒ばかりだ」
「教員たちは今の事態を前もって知っていたということですか!? でしたら明治先生、あなたもやはり何かを知って――」
「怪しいとは思ってたわよぉ、だから壁を掘ってまで調べたんじゃなぁい。でもそれ以上は何もわからないわぁ」
「信用できませんね。ますますここから離れたい気持ちが強くなりました」
「強くなられてもな、まだ連れて行くとは決めていないぞ」
「なぜですか、倉金さん!」
真恋はため息をつくと、少し疲れた様子で語る。
「こちらの教室にいるのは一年生と二年生ばかりだ。こんな状況で精神的にもかなり疲弊している。そこに見知らぬ三年生が来れば、辛うじて保たれている平穏が崩れないとも限らないのでな」
「私は場の空気を乱すような真似はしません!」
……っ、やば、笑いそうになっちゃった。
一番ぶっ壊してるじゃん、龍岡先輩。
ほらぁ、明治先生も睨んでるし。
さっきから黙ってる巳剣さんですらちょっと呆れ顔だよ?
「それどころか一年生と二年生をまとめあげ、必ずやあなたたちの役に――」
「駄目だな」
自慢げな龍岡先輩をばっさりと切り捨てる真恋。
「え?」と彼は呆然としていた。
そこに日屋見さんまで乗っかる。
「そういうタイプは余計に場を乱すって言ってるのさ。残念だけど連れていけないね」
「そ、そんな……ですがここには死体がっ!」
「これは私の直感だが、死体が儀式のために埋められているのなら、他の教室とて例外ではないだろう。曦儡宮を呼び出すために、学校そのものを怨念を集める装置として使っていた可能性もあるのだから」
「私たちの方でも調べてみないとね」
「別の教室でな。1年E組の生存者にこの事実は伏せておきたい」
まあ、この龍岡先輩の狼狽っぷりを見たらそうなるよね。
そういう意味では、明治先生もデリカシーが無い。
いや――でも先生の場合は、死体が埋まっていることよりも、“七瀬さん”がここに埋まっていることを教えたかったのか。
「状況の確認はもう十分だ、次は私たちの拠点に向かうぞ、依里花」
「待ってください倉金さん! 倉金さぁんっ!」
背中を向け、出口に向かう真恋。
龍岡先輩はみっともなく喚いていたけど、相手にされていない。
けれどどうやら真恋は、私を教室に連れて行くことを納得したようだ。
保健室の様子を見て、“姉”としてはともかく、“生存者”としては信用できると判断したのかな。
嬉しくないけど。
日屋見さんも同様に保健室を出ようとしていたので、私もついていこうとすると、誰かが私の袖をくいっと掴んだ。
「……令愛?」
令愛は顔を近づけて、小さな声で話しかけてきた。
ちょっとは慣れてきたと思ってたけど、油断してた。
近すぎて緊張する。
でも当の令愛は、いたって真剣だ。
「あの妹さんが戒世教のチラシを持ってたんだよね。曦儡宮のことも知ってたみたいだし」
「ああ……それね。どうもあれ、真恋じゃなくてうちの母親の持ち物だったらしいよ。集会に参加しろって誘われたんだって」
「参加しなかったの?」
「うん、日屋見さんも真恋が参加するわけないって言ってたから、とりあえずそこは信用してる」
「でもそれだと、依里花の母親が……」
これで一安心――かと思いきや、令愛はさらに不安そうに、袖を握る手に力を込めた。
ああ、そっか、令愛の母親も戒世教にはまりこんでたから。
こういうとき、どうやって慰めればいいんだっけ。
誰かから慰められる――そんな経験、夢実ちゃんからしかされたことないな。
あんまりそれは真似したくない。
でも、他に方法は知らないから。
私は令愛の頭を撫でて、ぎこちなく笑いかける。
「大丈夫、ここにはうちの母親はいないから。不安がることないよ」
「依里花……」
令愛は目に涙を浮かべながら、ぽーっとした表情で、私を見上げた。
とくん、とくん、と激しくはないが、穏やかに、しかし確かな熱を持って心音が高鳴る。
心地よい鼓動に身を任せると、自然に笑えた気がした。
「じゃあ行ってくる、また後でね」
「うん、気をつけて」
手を振って、保健室を出る。
するとすぐ近くで、真恋と日屋見さんが待っていた。
真恋はなぜかじっと私の顔を見ている。
「何?」
「依里花にも人間としての一面があるのだなと驚いている」
そう言って真恋は歩きだした。
日屋見さんと私もその横に並ぶ。
「もしかして馬鹿にしてる?」
「倉金依里花は人でなしだと教えられて生きてきた。親が言うのだからそれが事実だろうと思っていた。浅沼という男を残忍な方法で殺したことを知り、それが事実だとは私は確信した」
「お父さんとお母さんは私のことは何も知らないよ。見てないんだから。真恋だって知ってるでしょ? 私が家でどういう扱いを受けてきたか」
「……そうだな」
都合よくいないものとして扱って、都合よく落ちこぼれとして扱った。
私は時に両親のストレスを解消するために使われたし、時に真恋の自尊心を高めるために利用された。
倉金家の恥さらしと言われたが、そのくせ私は彼らにとって都合の良い道具だったのだ。
「あとさ、浅沼くんは殺したんじゃない。目の前でゾンビになったから、思う存分に恨みを晴らしてやっただけ。むしろあの程度で済んだことを浅沼くんに感謝してほしいぐらいなあ」
「それに関しては受け入れるつもりはない」
「恵まれた人間の偽善だ」
「だとしても、人の命を弄ぶ行為を容認してしまえば、私は人として終わりだ」
「とっくに終わってるよ」
「何だと?」
「それぐらいのことを私にやってきた。違う?」
今さらまともな人間であろうとする真恋は滑稽だ。
仮に私だけがこの世で“人間ではない”から、どう扱ってもいい――そう教えられていたとしても、それは同時に、彼女が“人間ではない”と認識さえしてしまえば、他人にどこまでも残酷になれるということでもある。
いくら善人面をしても、その汚点は消えない。
「いくら親からそういう教育を受けてきたからって言ってもさあ、限度はあるよ。改めて思うと、今日まで私が自殺しなかったのって奇跡だよね。まともな人生を送ってきた他人を見ると余計にそう思う。もし私が死んでたらどうなってたかなぁ、両親は葬式すらしてくれないと思うけど、真恋は少しぐらい悲しんでくれた?」
「涙も流さなかったろうな」
「でしょ? よくわかってるじゃーん!」
真恋は徐々に逃げ道を失っている。
いや、というより
こんなことなら、もっと早くに真恋と腹を割って話しておくべきだった。
ううん、今だからできるのか。
私に力があって、彼女と同等で、かつ逃げ場所のない密室空間だからこそ、互いにさらけ出すしかないのだ。
私を“人間”だと認めるしかないから。
「麗花、ニヤニヤするのだけはやめろ。趣味が悪いぞ」
そして真恋は唯一の逃げ道である、日屋見さんに頼る。
もっとも、その日屋見さんも助け舟を出したりはしないが。
「すまない、弱っている真恋が可愛すぎて興奮が抑えきれない」
「変態が」
「今の私にはご褒美にしかならないね」
やっぱり彼女は無敵だ、敵には回したくない。
「うちの両親って、どういうつもりで私にあんなことしてたんだろうね」
「私も聞いたことがない」
「そうなんだ、あんなに仲良かったのに」
家の隅っこにある小さく薄暗い屋根裏部屋に籠もりながら、リビングから聞こえてくる笑い声をずっと聞いていた。
彼らは家族で、私は他人だと、毎日のようにそんな疎外感を感じていた。
「どうやら勘違いしているらしいが、私はあの両親のことが嫌いだ」
けれど真恋は、そう言い捨てる。
贅沢にも、私は持つことすら許されなかった家族という存在を切り捨てる。
持つものの傲慢さだ。
「よく一緒に笑ってたのに?」
「上辺だけはな。常に母の機嫌を伺い絶対に逆らわない情けない父と、自分の中の理想を押し付ける傲慢な母。どうやって好きになれというんだ」
そこに関しては同意だ。
もっとも、“嫌い”の度合いが私と真恋で違うだろうけど。
何せ真恋は――愛されてきたのだから。
「押し付けられたっていうけど、その理想通りに育ってるよね」
ふいに、真恋が足を止めた。
私たちも止まって彼女のほうを振り返る。
真恋は――視線を下に落とすと、唇を噛み、強く拳を握って腕を震わせていた。
ああ、もしかして。
ははっ、そうか。
真恋は本当に両親のことが嫌いだったんだ。
でも、どんなに嫌いでも親は親で、愛情は確かにそこにあって。
気づけば彼女は――拒んでいたはずの“理想”の形に育ってしまっていたのだ。
文武両道で、眉目秀麗で、誰にでも好かれる理想の少女に。
きっとそんな素晴らしい自分に誇りを持っているんだろう。
けど同時に、嫌ってもいるのだ。
矛盾が彼女の中に同居している。
「今はじめて、真恋のこと妹としてかわいいと思ったよ」
私は思わず歯を見せて笑った。
「やめろ」
真恋の声が震えている。
日屋見さんの気持ち、今なら結構わかるかも。
「恥ずかしがらないでいいのに、やっぱり私たち姉妹だよ」
「やめろと言っているだろうッ!」
声を荒らげて掴みかかってくる真恋。
でもぜんぜん怖くない。
心の余裕を持って、笑顔で受け入れられる。
「安心して真恋、まだ恨んでるけど、優先順位は下げたから。殺すならあのクソ両親が先だね、そのためには姉妹で協力して生き延びないと!」
凄んでも私に効果が無いと悟ったのか、真恋は歯を食いしばって悔しがる。
その表情は私の歓喜の炎に油を注ぎ、さらに激しく燃え上がらせた。
「ははははっ! まさかあんなにも恵まれてた真恋が、“両親の思惑通りに育ってしまった”なんてコンプレックス持ってるなんて知らなかった!」
笑い声を響かせると、苦し紛れに真恋も叫ぶ。
「貴様だってそうだろうッ!」
「ん?」
首をかしげる。
私
「いや、違う、むしろ
苦し紛れにしてははきはきとした口調で、彼女は理屈を並べ立てる。
「なあ依里花、なぜ両親は私と貴様を同じ学校に入学させた?」
「私の場合は、ここ以外に入ったら進学させないって言われたから。さすがに高校に行けないのはやだなと思って頑張ったよ」
「私も嫌だったさ。なぜ貴様と同じ高校に行かなければならないのかと」
言われてみれば。
結構この学校、レベル高いんだよね。
真恋は推薦で入ったけど、私はギリギリだった覚えがある。
「あれほど姉妹で差を付けておきながら、なぜ二人とも光乃宮学園に入る必要がある。それは戒世教の信者である母が、儀式の中心地であるこの学園に貴様を捧げたかったからではないのか?」
親が子のことを知らぬように、子も親のことを知らない。
だから私はお母さんがどういう人間なのか、ほとんど知らなかった。
でもおそらく真恋は知っている。
彼女が、戒世教の熱心な信者であったことを。
だから、そんな答えに辿り着いたに違いない。
「16年かけて負の感情を溜め込んだ貴様を、
きっと真恋は、
お前は生まれついて、邪神の生贄に捧げるために育てられてきたんだと、ショッキングな事実を告げることで私を傷つけたかったんだ。
でもごめんね真恋。
お姉ちゃん失格だ。
私――その話を聞いて、
感情を抑えきれずに私が微笑むと、真恋は動揺して「ぇ」とか細く声をあげた。
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