第6話 いどう→まえ
わたしのまえにいぬのむれがあらわれた。
あれはドッグだ。
なんだ。さいかきゅうのモンスターではないか。
スライムやゴブリンよりもあつかいがわるい。
さいじゃくモンスターのはずだ。
すくなくともせんねんまえはそうだった。
しかしかきゅうモンスターとはいえ
わがぼしょのけいごをしつづけるとは
かんしんなれんちゅうだな。
わたしはかれらのむれをあんしんして
とおることにした。
ああ!ああ!なんとわたしはおろかなのだろう!
かれらはわがぼしょをまもるために
いたのではなかった。
ただののらいぬがここのちかきゅうでんを
ねぐらにしていたにすぎなかったのだ!
とうぜんわたしにたいするちゅうせいしんなど
そんざいしない。
かれらにはきっとわたしのことが
まるでおやつがじぶんからあるいてくるように
みえてきたにちがいない。
のらいぬたちはばりばりと。ばりばりと。
わたしのぜんしんにくらいついていく。
いぬたちは!いぬたちは!
わたしのあしのほねを!うでのほねを!
ろっこつを!じつにおいしそうにほおばっていく!
わたしはこのよにほねすらのこさず
このいぬたちにたべられてしまうのだ!
もじどおり!!
ずがいこつがたべられてしまうしゅんかん、
わたしをちょうしょうする
ひかりのめがみのすがたがみえた。
ざんねん!わたしのふくしゅうのたびじは
ここでおわってしまった!
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