第135話 ゲームでも知らない魔王の指示

 俺はサーベルを掴んで地面にゆっくりと降り立つ。


 前回はゆっくりと降りられなかったから、今回は魔道具の《無重力ゼログラビティ》を用意していたのだ。


 そのお陰で地面にクレーターを作ることなく降りることが出来た。


 俺はサーベルに更に色々と拘束魔道具や魔法でデバフをしたりとし、絶対に逆らえないようにした。


 そしてエレノアとサラの元へと集合する。


「ごめんなさいソラ様……私が引きつけれていれば……」


 そう言ってエレノアはシュンとしている。


 どうやら俺達の方に来たことに責任を感じているのだろう。


 サラが心配そうにエレノアを見ているところを考えると、何とか励まそうとしたのだろうが無理だったようだ。


「気にするな。戦闘にこんなことなんて幾らでもある」

 

「でも……」


「でもじゃない。戦闘はこう言うものだ。それにこいつはすぐに標的を変えるからな」


「……エレノアは頑張った」


 サラもそう言って背伸びしながらエレノアの頭を撫でる。


 ……こんな時に言うことじゃないけど最高です。


 2人の周りに沢山の百合が見える。


 俺はその素晴らしい光景をずっと見ていたかったが、そろそろ本題に入らないとな。


「それにこいつが俺に来てくれたおかげで有益な情報が手に入るかもしれないしな」


「有益な情報……?」


 エレノアが頭を撫でられながらそう聞いてくる。


 結局辞めないのね……まぁ良いけど。


「ああそうだ。俺も本当かわからないけど、サラと言う名の女がサラの他にいるようだ」


「…………??」


「…………」


 エレノアはよくわからないと言った感じで首を傾げ、サラはだんまりとしている。


 俺はそんなサラに少し不思議に思うが、話を続ける。


「それでこいつに聞こうと言う訳だ」


 俺は引きずっていたサーベルを3人の前に置く。


 そして話せるように顔の麻痺だけ取る。


「———ぷはぁ!! ゴホッゴホッ!」


「それじゃあお前が言っていたことを話してもらおうか?」


 俺がそう言って近づくとヒッと小さく悲鳴を上げる。


 そんなにビビるなよ……俺がやばい奴みたいじゃないか。


 その証拠に2人にめちゃくちゃ引いた目を向けられた。


 それに俺のメンタルが一気にゼロになりそうだったが何とか耐えて聞く。


「それでどう言うことだ? サラがもう1人いるのは。本当なのか?」


 俺は顔を近づけて聞く。


 俺は正直めちゃくちゃ気になっていた。


 だってよく考えてみてくれよ。


 サラは特に何もしていないのに何故あんなに死亡フラグが多いんだ?


 しかも俺がどれだけ頑張ってもその原因がわからなかったのだ。


 だから今回サラがもう1人居ると言う情報は俺にとってはなによりも欲しい情報だった。


 サーベルは半ば発狂気味に言う。


「ああ! 本当だ! なんなら証拠だってある! ただ私は魔王様に探してこいと言われただけだ!」


 ゲームで一度も聞いたことのない魔王の思惑が遂に表世界に登場した。



-------------------------

 この度作者の処女作である『異界の覇者〜【不適合者】になった転生者は、銃と無属性魔法で異世界を生き抜く〜』のリメイク版、


『属性魔法が至上の世界に転生したけど不適合者だったので、無属性魔法と魔導銃で異世界を生き抜く』https://kakuyomu.jp/works/16817330648990201382


 を投稿しました!

 

 是非読んでみてください!


 ついでにフォローと☆をくださると嬉しいです!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る