第136話 森を消滅させよう

 俺はサーベルの告白を聞いて何処か納得している自分がいた。


 もし本当にサラ(銀)がいるほうが、サラが狙われていたことに説明も尽くしな。


 例えば2人揃えば最強の武器が手に入るとかな。


 もしそうなら、強欲な魔王のことだ。

 

 アイツならほしいと思うだろうな。

 

 だがそうなるんだとしたらサラは一体何者なんだ……?


 ゲームでは特にサラについて何も描かれなかったからなぁ……イマイチわからないんだよな……。


 でもサラって結構不思議なことが多いんだよな。


 例えば、俺の【鑑定:10】でもステータスを見られないところとか、異様にフェンリルが懐くとか。


 まぁフェンリルはサラが可愛いから懐いているんだろうけどな。


 アイツ結構面食いだし。


 犬のくせに可愛い子が好きなんて不思議なやつだよな。


 あ、犬じゃなくて狼だった。


 最近犬感がすごすぎて忘れていたわ。


 俺がフェンリルのことを考えていると、サラが俺の服の袖を引っ張ってきた。


「どうしたんだサラ?」


 サラは少し神妙な顔をしている。


 何かもう1人のサラのことを知っているのだろうか?


「……何でもない。……………後で2人で話したい」


「……分かった。なら今日の夜にサラの部屋に行く」


「ん」


 サラはそれだけ言うと袖を離して再びエレノアの所に戻った。


 戻るとエレノアになにか聞かれていたが、首を横に振っているので、どうやらエレノアにも話さないようだ。


 ……やっぱりなにか知っているんだな……。


 俺はサラを見ながら複雑な気持ちを感じていた。


 それは、俺にしか話せないと言われて信用されていると感じて嬉しかったのと、もっと早く言ってくれなかったことへのやはり心を許せるほど信用されていなかったのかな? と言う不安。


 その2つが俺の心を心の中を占領していた。


 …………はぁ、取り敢えず考えるのは後にして、まずこれらをどうにかするか。


 俺は俺を見て震えながらも、モンスターを呼んで逃げようとするサーベルを見る。


 サーベルの体は既にヨボヨボのおじいちゃんのように年を取っていた。


 コイツからは聞きたいことは聞いたし、早めに倒しておかないと後から更にめんどくなってもらったら困るので、俺は即座に斬り捨てる。


「すまないな。俺はサラに危害を加えようとしたやつは基本的に見逃さないようにしているんだ」

「や、やめ―――」


 サーベルの髪が抜けきった頭が『ごとん』という音を立てて体から離れる。


 しかし離れた瞬間に体が灰になって消えた。


 サーベルは何百年も生きていたため、体が急激な老化に耐えられなかったのだ。 


 だが死神に戻られたらまた復活するので、早めに倒させてもらった。


 よし、次はこの森だ。


 この森は全域に強力なモンスターがいるため、このままにしておくわけにはいけない。


 俺はサラとエレノアに先に帰ってもらって1人森に残る。


「ふぅ……よし、やるか。――【多重物理結界・神】【多重魔法結界・神】」


 俺は自身の結界スキルで森のすべてを覆う。


 そしてこの世界に1つしかないとある欠陥魔道具を取り出す。


 そのは《必ず起きれる目覚まし爆弾》と言う頭のおかしい名前の魔道具で、効果はまんま時限爆弾と同じだ。


 まぁ規模は天と地ほどの差があるけどな。


 正直全魔法の中で3番めに威力が高く、半径何十kmくらいなら余裕で跡形もなく吹き飛ぶ。


 これで一気に森を破壊するのだ。


「タイマー10秒セット。―――スタート。―――…………転移!!」


 俺は巻き込まれないように急いで転移で逃げる。


 その瞬間に物凄い熱量を持った光が森全体を包み込んだ。


 『ズガガガガァァァン』と言う音の後に俺の張った結界があまりの威力に耐えきれずにボロボロ崩れ落ちていく。


 そして結界が消えた後の森は何もない大きなクレーターへと変貌していた。


 俺はそれを確認すると、大量のレベルアップ音を聞きながらサラ達の元へと戻った。


―――――――――――――――――――――

 異世界ファンタジーの新作始めました。


『公爵家の長男に生まれた最強な俺だが、当主になるのは嫌だし働きたくもないので、元王女で騎士団長の婿になることにした』https://kakuyomu.jp/works/16817330647903887061


 この作品は作者初のコメディー要素多め作品です。


 ぜひ読んでみて、面白かったらフォロー、★★★をよろしくお願いします!!


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る