第8話 クソゲーに相応しい鬼畜さ《試練のダンジョン》②

 ダンジョン内に入るといつも通り目の前にメッセージが届く。


《挑戦者の装備なしを確認。第1の試練を開始します》


 それを見た瞬間、闘技場の様なところに転移させられた。


 どうやら今の所全てゲームと同じのようだ。


 そしてゲーム通りモンスターがいきなり現れる。


 そいつらの見た目は、王冠を被った大きなゴブリン1体と、側近みたいなゴブリンが3体いた。


「ッッ!? 【鑑定:1】!」


 俺は急に目の前に現れたことにびっくりする。


 俺は心を落ち着かせてゲームと同じ見た目をしているが一応【鑑定】する。


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キングゴブリン

level:69

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ゴブリン・ジェネラル

level:51

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 うんやっぱりそうですよね。


 どっちも俺の敵ではないけど、今の俺は防具なしだから普通にやばいんだよな。


 しかし【鑑定:1】はレベルまで見れるのか。


 やはり取っていて正解だったな。


 俺は【身体強化:1】を発動する。


 おお、これが【身体強化】か……結構上昇しているな……これなら余裕だ!


 しかし、【身体強化】には時間制限があり、1の場合は10分だ。


 それからレベルが上がるにつれて1分づつ減っていく。


 俺は助走をつけてから思いっきりキングゴブリンにラ◯ダーキックを食らわせる。


「どうだ! 俺の渾身のラ◯ダーキックは! どうしても1回やってみたかったんだよな」


 俺が前世からの小さな夢を叶えていると、キングゴブリンはもう死んでいた。


 おお! まぁレベル差があるから当たり前と言えば当たり前なんだけど、ラ◯ダーキックって強いんだな……。


 俺はそんなことを思いながら、ゴブリン・ジェネラルの方に向き直る。


「さぁ次はお前達だ。【スロウ】【スロウ】【スロウ】」


 俺は闇魔法の【スロウ】を三重までかけた。


 こうすることによって格段に相手のスピードが落ちる。


 俺はかけ終わると、1体のゴブリンの懐に一瞬で入り。


「【魔闘拳】ッッ!!」


 【魔闘気】を纏った拳を思いっきり振り抜く。


 するとゴブリン・ジェネラルの胴体が弾け飛ぶ。


 …………うわぁ……グロい……ちょっとやりすぎた感が物凄いな。


 【魔闘気】も時間制限あるし、今回は使わないでおこう。


 俺は後ろで攻撃しようとしていた敵を【気配感知】で感知したので急いで飛び退く。


 そして相手の背後に周り再び本気で殴る。


 今度は胴体が弾け飛ぶことは無かったが、壁まで吹っ飛んで死亡していた。


 よし、あと1体!


 俺は一旦距離を取る。


 ここで焦ってはいけない。


 俺は警戒を強める。


「ガァアアアアアア!!」


 突如ゴブリン・ジェネラルが吠えた。


 きたッ!


 俺は急いで【魔闘気】を発動して待つ。


 するとゴブリン・ジェネラルの後ろに1体のゴブリンが現れる。


 俺はすぐに【鑑定】を発動。


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エンペラーゴブリン

level:88

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 これもゲーム通り!


「来たな、エンペラーゴブリン! 本当は戦いたくないけど、俺の限界突破の為の糧となってくれ!」


 俺は先手必勝とばかりに懐に飛び込んで腕を振り抜く。


「シッ!!」


 しかしでかい図体のくせして器用に避ける。


 そして俺に反撃とばかりに剣を振り下ろしてきた。


「危なッ!?」


 俺はギリギリの所で回避する。


 そして俺も反撃に蹴りを喰らわす。


 今度はしっかり入った。


 今俺のレベルは100の為、結構なダメージが入ったはずだがピンピンしている。


 あれぇ? 俺本気で蹴った筈なんだけどなぁ……。


 まぁゲームでも仰け反りとか無かったしこう言うものなのかな?


 取り敢えずダメージはあまり効いていないと仮定しておいた方が良さそうだ。


 俺はキングゴブリンが残した剣をエンペラーに投げる。


 何故か剣を投げるのはイベント的にセーフらしい。


 ゲームでも剣を使ってはいけないのに、投げるはセーフだと誰が気づくだろうか。


 これは完全に制作ミスだと思う。


 だがこれが無いと俺や廃プレイヤーは勝てなかった。


 俺はゲームでのエンペラーの攻撃パターンを頭に描きながらギリギリで避ける。


 そして剣を振り下ろすタイミングを待つ。


 エンペラーの隙はその瞬間以外ない。


 それから躱す事10分、遂にその時がきた。


「グルァアアアアア!!」


 エンペラーが大剣を俺に向かって振り下ろす。


 俺はそれをギリギリで避け、背後にまわる。


「この時を待っていた! 【魔毒拳】ッッ!!」


 俺はエンペラーに向かって【闇魔法】の【ポイズン】と【魔闘気】を合わせたパンチを撃つ。


 ゲームではポイズンをした後に【魔闘拳】だけど、この世界ではこう言う重ねがけも出来る。


 俺の放った激毒の攻撃は、エンペラーにしっかりと当たった。


 よし! あとは逃げるだけ! 


「【スロウ】【スロウ】【スロウ】ッ!」


 俺は更に【スロウ】を繰り返して、エンペラーの動きを遅くする。


 このあとは簡単だ。


 遅くなったエンペラーが毒で死ぬまでひたすら攻撃に当たらないようにするだけ。


 20分経った頃にやっとエンペラーが死んだ。


「はぁ…………疲れたぁ! ちょっと休け……い……」


 俺は疲労感と達成感を感じながら意識を手放した。



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