番外編

登場人物後日談

ロア・メグナカルト


この後無事にトーナメント決勝まで進出するが、化け物になってるステルラに負ける。負けたショックが普通にデカすぎて一週間ぐらい寝込み最終的に「まあアイツめっちゃ強いし別の分野なら勝てるからいいか」とメンタルを回復する事で事なきを得た。新大陸に冒険しに行ったり剣術道場をアイリスと開いたりアランロドに結婚を迫られたりルーチェと秘密の別荘を作ったりルーナと墓参りに行ったり自分の子供達に努力はクソだと言い聞かせていたら師匠とステルラにボコられたりした。


ステルラ・エールライト


八十年後くらいにロアやルーチェ、アイリスが死んで十年近く閉じこもるが、子供や孫たちの励ましやロアの遺書を見て生きている内は楽しめるだけ楽しむことを決意。新大陸に超越者仲間複数人で殴り込みに行ったり自然とか文化に興味を見出すことになる。めっちゃ初期の構想だと、次回作でステルラ・エールライトの冒険をやろうとしていた(やらない)。ロアが死んで最もダメージが強かったうちの一人。


エイリアス・ガーベラ


人気ありすぎ自己肯定感低すぎ師匠。この後新大陸に行ってそのままフェードアウトしようとしていたが全力出したステルラとロアに発見され、無事に家に帰ってくることを確約させられる。自分なんかを本気で求めてくれたロアに惚れている気持ち悪さから自己嫌悪が高まるものの、それでもいいと言ってくれたことにより陥落。一ヵ月に一度帰ってくる美人ミステリアスお姉さんとして子孫達の性癖を破壊し続けた。ロアが死んで最もダメージが強かったうちの一人。


アルベルト・A・グラン


最上級生になる頃にはすっかり被嗜虐趣味は鳴りを潜め……る筈も無く、相変わらず最悪の人間性を維持しつつ楽しく過ごしていた。マリアとイイ感じの関係になり、卒業後にグラン家当主の座に就く事となる。軍上層部との二束草鞋は割に合わんと宣言したテオドールに指名された事で強制的になったが、権力も利用できて公に嫌味を言っても許されるこの立場は存外気に入っていたらしい。ロアより先に死んだので特にダメージは無い。


ルーチェ・エンハンブレ


卒業後、国の運営する魔法学校へと進学。『雪原地帯における魔法・および魔道具による影響緩和』の研究を行い人が住めないような豪雪地帯でも安全に生活できる方法を確立。人類の生存権を広げ、その給料である人物を養っていたらしい。一体何メグナカルトなんだ……。子供は三人、育てきった頃には女としての旬が過ぎておりその事に少しだけ寂しさを抱きつつも一人の人間として立派に成長した。好きな男に友人達、蟠りの解けた両親と子供達に囲まれながら病によって亡くなる。死に顔は安らかだった。


ヴォルフガング・バルトロメウス


ロアに二度の敗北を喫するが決して折れることは無く、卒業後軍部に就職する。ある程度の技術を学んだ所で超越者以外で相手になる者が居ない事を悟り、新大陸に旅立った。十年に一度の頻度で本大陸に帰宅するが、その度に強くなっていたのでロアは二度と戦ってくれなかった。その事に少しだけ悲しさを抱いている。五百年後の新大陸で最強の名を冠していたりして欲しいしなんなら別の物語に干渉する位の奴になって欲しい(そういうポジションの奴がマジで好きなだけです、察してください)


ルーナ・ルッサ


魔祖十二使徒第三席として、数百年間国家首席の座に収まる事になる。ロアが存命の間は子を遺そうと躍起になったが、色々問題が発生し遺せない事がわかって一時絶望した。二日くらいで持ち直したが、その反動で他の子どもたちに激甘になっている。エミーリアの墓参りを欠かしたことは一度もなく、ロアが自由に動ける間はずっと共に行っていた。ロアが満足に動けなくなる年は墓前で寂しさを露わにし、ロアが死んだ時は大泣きした。何処かでロアと顔を合わせたエミーリアが、良くも泣かしてくれたなと怒ったり怒らなかったりする(こういう妄想が好きなので許してください)。ロアが死んで最もダメージが強かったうちの一人。


アイリス・アクラシア


卒業後実家に戻り全力の五体投地を行い、両親に必死の謝罪をした。ロアは受け入れてくれたが世の中そういう人物だけではなく、自分が周りと違うということに甘えて図々しく生きるだけでは駄目だと自分を変える事を決意。数年後、全国の剣術道場を破りまくって踏破した後にロアと共に道場を経営することになる。ロアの扱うかつての英雄の剣を正当に継承し、その上で自分のオリジナルも加えたものを生み出して歴史に名を刻んだ。齢八十を越えた辺りで剣豪として位階を一つ突破し、剣のみで超越者を斬るというよくわかんない領域に至ったり至らなかったりする。ロアと同じ日に死んだのでノーダメージ。


テリオス・マグナス


数年後、入学してきたロアの妹であるスズリ・メグナカルトと出会う。担任としてクラスを受け持っていたテリオスは何だかんだ親近感をもって接して、やはりどことなく同じ空気感を持つスズリについ全力で指導。結果としてスズリは超越者や一流の怪物には届かないが、トーナメントに毎年出場するくらいの実力を兼ね揃えるようになってしまった。その責任を取れと定期的にスズリに追い掛け回されるようになったりならなかったりしてほしい(これは完全におれの妄想なので気にしなくていいです)。

マギアが学園長を引退してからおよそ数百年の間本大陸にて人類の発展に貢献し、やがてその役割を己の子孫に託して新大陸に旅立つこととなる。その仲間には、かつて共に雌雄を決した親友の子孫が居たという(これもおれの妄想です、テリオスは子孫たちに黄金時代の話をずっとしてくれ~~!!残されたお前の役割を悲しく全うしててくれ~~!!)


テオドール・A・グラン


ソフィア・クラークと結婚。数年後、軍総司令となりグラン家当主の座を弟のアルベルトに譲る。結局あれから一度も全力で戦う事は無く、あれ以上強くなることも無かったけれど、彼は模擬戦で負け知らず。五十を過ぎてますます男に磨きがかかりモテたが、妻が怒るからという理由で女性とはあまり関りを持たなかった。グランの血筋の問題も何もかもを解決してくれたロアに感謝しつつ、それはそれとして相変わらず面白い奴だとちょっかいを出し続けた。ソフィアを看取り、隠居生活五年目で老衰で亡くなった。


ソフィア・クラーク


テオドール・A・グランと結婚。国主導の研究部主任となり、後にルーチェと共同研究を行ったりする。プロメサと二人で掲げた『座する者ヴァーテクスへの意図的な移行』は残念ながら実を結ぶことは無かったが、亡くなる数日前までずっとデータを集め資料を纏め後世に遺そうと尽力した。それはきっと、己が到達する事が出来なかった愛する男へ最後の贈り物として用意したかったのかもしれない。その真実を知る者は、もう居ない。


ブランシュ・ド・ベルナール


大戦で無事生き残った功績を評価され、軍にてエリート街道を邁進する。最終的に新大陸総司令の座に着いたものの、すっかり独り身のまま生きたことに若干の孤独感を抱いた。だがその強さは本物で、彼の魔法は魔祖十二使徒直伝の貴重なものとして専用の部隊を作られるくらいに評価された。後の時代に、どこかの街で伝わっててほしいよね。欲しいです、欲しいんです。


マリア・ホール


真面目に人助けしてたら変な男に絡まれて最終的に結婚することになる。要するに全部アルベルトの所為。殴っても喜ぶし罵倒しても喜ぶしたまに虐めてくる性格の悪い男にちょっと誑し込まれたかわいそうな人。己の目標であった『全ての病を治す魔法』は作れなかったが、廻天エリクサーと称される偉大な回復魔法の難易度を下げて一般化したことで新大陸開拓にいおける死傷率が大幅に低下。その功績は教科書とかに乗って欲しい。そういう地味な活躍で名を遺すタイプの人になって欲しいんです。


プロメサ・グロリオーネ


魔祖十二使徒の身体を解明し人類全てを次の位階に押し上げようと思ってたり思ってなかったりする。結局一生分の時間では何もかもが足りないという事を悟り、己の知的好奇心を満たすために研究を続けた。最終的に寿命を二十年くらい伸ばす魔法を開発したものの、それを世に広めたりせずに己の限界はそこだと満足げに終えた。


フレデリック・アーサー


卒業後は軍特殊工作員として雇われたが、数年で辞職。強さを追い求める事は止めて、新大陸にて人の役に立つことを選択。光魔法を利用し植物の栽培や動物の生殖研究に非常に貢献し、新大陸に骨を埋める事となった。


マギア・マグナス


十年後に引退を表明、面倒事全てをテリオスにぶん投げて隠居した。エミーリアの墓参りとかその他暇になった時にちょっかいを掛けて国に迷惑をかける時以外、一人で暮らし続けた山奥で生活する。魔導の研究を百年以上疎かにしていたため、今度は己自身の欲望を満たす事を優先した。時折人に会いたくて首都に飛んでくるが、その度にぶっ壊れる設備にテリオスが発狂しながら対応した。


ロカ・バルトロメウス


魔祖十二使徒第五席をヴォルフガングに譲り、夫が亡くなるまでのんびりと過ごす。亡くなってからは新大陸に出ずっぱりの息子の帰る場所として家で暮らし続け、一ヵ月に一度の頻度で十二使徒の生き残りでお茶会をして楽しんだ。


ローラ・エンハンブレ


失った部位を治し、これまでと変わらない生活をする。夫婦揃って超越者のため特に席を譲る事も無く、仕事と並行して子育てとか色々やって最終的に三百年後くらいまで子供が生まれ続けた。この二人が一番ヤバいかもしれない。でもまあ一組ぐらいずっと愛し合っててくれてもいいよね。

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