密造者
剥げてゆくペンキのした
涎垂らす指標の
消化不良の童顔
めくるめく
屍体
したたかに
もて弄び
さざ波になる
微かな禁断症状に
素描する 眸がある
ウスラ笑い
ためらわず 応対する背中は だが
静かだ
佇む人のむせかえりは
アクセサリー同様の
残されたひ弱さになる
埋葬係の不良少年は
死斑の見え始めたナイフで
墓石を切り裂く そんな
ゆるやかな滑稽さだけを
娼婦に語りかける
還ってくるのか
頭髪にこびりついた精液を
こさぎ落とす静寂の一瞬まで
髪の毛一本一本に貫かれた憎悪
逆流する血液に速度を増していく熱量
不良少年のくれた小石を
最後のポケットから取り出してみせる
少女の指は優しく濡れている
そうだ
木陰で
ケダモノの
溶解がはじまる
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