プレリュード

プレリュード



     羊水に胎動する以前から、今日と言う二十四時間の

    事実までひっくるめて、無論俺には朧な道を辿るしか

    ないにしろ、確実に今日となる明日。この隙間の不相

    応な手応えこそが、冗談めかして還っていった胎内の

    闇へと、十字架の光線が道連れてくれよう。

       恥を知れ!

    再び贖うことの出来ぬ炎を、軒並み踏みにじられ、下

    水道へと流れ着く発禁の朱肉。

    同情が駆け巡る。

    それでもお前の旗は翻っていると言うのか。

     おためごかしの小悪党。発禁のお前の絵日記は俺が

    読む。お前の屍体を尻目に、首からぶら下げ、おまえ

    の罪を、咽喉に血反吐こびりつかせても、二日酔いの

    反吐にしてお前の面になすりつけ、もう一度、死刑台

    へ送り込むぞ。

     花輪に囲まれて、肩書きも意地らしく座っている、

    キサマだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る