うちは進学校(笑)です

越智 零れ

1話

ピピピピピピピピピ...

目覚まし時計の音で目が覚める。時刻を確認すると午前7時50分。


「なんだ、まだ寝れるじゃん...」

昨日は深夜までL〇Lをしていたせいでまだ眠い。


「2度寝するか...」


この世で2度寝ほど気持ちいいことはない。たとえそれが始業30分前でも、誘惑には抗えない。それにしても昨日のペンタキルは気持ちよかった...


「ってもう8時になるじゃねえか!やべえ、遅刻する!」


俺は急いで着替え始めるのと同時に、起きているであろう妹に声をかける。


「結衣ー!パン適当に焼いてくれ!」


「分かったよお兄ちゃん!何パンがいい?!」


「なんでもいい!」


「発酵に時間かかるから、焼くのは学校帰ってからでいい?!」


「そうか!なら要らん!」


アホに頼んだのが間違いだった。まあ今の会話を聞いて誰か適当に焼いてくれてるだろ。


「遅刻するぞバカ息子!」


「わかってる!パン焼いてくれ!」


「発酵に時間がかかるんだが、夜ご飯でもいいか?」


「ちげえ!もういいわ!」


この親にしてこの子ありとはこの事か。母もアホなのだからアホが生まれるのはしょうがないか。制服に着替え終えた俺は、急いで階段を降りると適当な菓子パンを掴んで家を出る。現在8時5分。まだ間に合う。朝礼は8時からなので、もう既に遅刻ではあるのだが、1現に間に合えばなんら問題は無い。


「間に合ってくれ...!」


今日の1現は古文。既に出席が危ないので何としても遅刻するわけには行かないのだ。

走ること10分。学校が見えてくると同時に、周りにチラホラと小走りの生徒が見え始めた。


「間に合いそうだな...危なかった。」


悠々と校門をくぐると8時18分。何とか間に合ったようだ。

教室に入ると出席率は約半分。その半分も寝ているか遊んでいるやつが大半だ。


(まあ金曜一限の、しかも古文なんてこんなもんだよな)


自分の席では既に友人の健太が寝ている。健太の席を見ると、そこでは三麻をしていた。仕方が無いので、まだ来てない駿太の席に座った。


チャイムがなると、三麻をしていたヤツらが慌てて雀牌をしまう。この学校は麻雀だけは禁止なのだ。(賭けなければセーフと言う暗黙のルールの上で見逃されているが)古文の伊藤だけは厳しい。本人も本校生徒だった時代は麻雀狂だった癖に、その時に雀牌を没収された経験から、麻雀にだけはやたらと厳しい。没収された人間が毎年5人はいると言う。なんでそんなに麻雀してんだよ。


「はい、席につけー。授業始めるから寝てるやつ起こせー。あとそこの3人麻雀してたろ。あとで没収な」


「なんでバレた!」

「悪しき文化を無くせ!」

「麻雀から逃げるな!」


「うるせえ!お前らの雀牌は俺のもんだ!」


とんでもねえ学校だ。

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