彼と彼女の秘密の関係
KID
プロローグ
いつもモノクロだった。
僕の見てる景色はいつだってモノクロで、色づくことはなく、微かに見える光をただひたっすら追いかけていた。
けどいつも届かなくて。
みんなの瞳にはこの景色はどう写っているんだろう。
多分綺麗で色鮮やかなんだろうな。
僕は自分が嫌いだ。
どこか劣等感を感じるから。
周りと自分は違うって言われてるように感じるから。
そんな劣等感とはもう長い付き合いで、今となっては慣れている。
だけど時どき寂しくなる。
周りには誰もいなくて、ひとりぼっち。
時折見える光、でもその光は昔からいつも届かなくて。
やっぱりまた一人になる。
けどいつか。
光に手が届くなら。
そう言って僕はまた、光に手を伸ばす。
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