可愛い彼女大作戦ーミッションインポッシブルな理想と現実

猫カレーฅ^•ω•^ฅ

ミッション:朝食を作って彼氏を起こせ!

 今、頭の中には、スパイ大作戦だかの音楽が流れてる。


 私、新山遥にいやまはるかは、今 重要ミッションのために彼ぴっぴのアパートのドアの前にしゃがんでる。



 ■ミッション:彼氏の家に侵入


 時間は、早朝5時。手には事前に大家さんからお借りした彼ぴっぴかずくんの部屋の鍵。


 寝ている 和くんに「おはよ、和くん♪ お寝坊さん、朝食できてるよ♪」って言って起こしてあげるの! それが今日のミッション!


「え? なんで遥がうちに!? すごい! 豪華な朝食じゃないか! ありがとう!」って言わせるの! 憧れの和くんとの同棲みたいな生活! そうなったら、毎日がエブリデイ!


もうね、和くんのことを考えたら気になって、夜しか眠れないわ!



「ぷぷふ……うふふ……あはは……あーっはっはっはっ!!」



 バッ、いけないいけない。


 つい、玄関前に仁王立ちで高笑いしてしまったわ! 私は慌てて再びドアの前にしゃがんた。


 危うく近所の人に通報されてしまうところだったわ。私は軽く額の汗をぬぐった。



 そもそも、この鍵を手に入れるのにも苦労したのよ。彼ピッピ、和くんは「いつでも遊びに来てよ」なんて言ってくれていたけど、中々行けないでいた。その上、私の方から「合鍵ください」と言うには更にハードルが高い。


 和くんのアパートの大家さんに頼んだら、ダメだって断られるし! かずくんの実家のお母さんに電話して、事情を話した上で、大家さんと電話で話してもらってやっとOKしてもらった。


 もはや力づくだった。力こそパワー! でも、これで私とかずくんを隔てる壁(玄関ドア)は排除されたのよ!


 合鍵を鍵穴に差し込み、静かに回す……スタンッ!


 ビクッ! サムターンって最後どうして大きな音がするのよ! 驚きのサプライズ!


 ドアノブを静かに回し、音がしない様にかずくんの家に入る。一瞬、傍から見たら泥棒と行動が同じと思わないではなかったけれど、気付かなかったことにする。



「おじゃましまーす」



 声は出すけれど、家主に気づかれない様に小さな声で。


 侵入ミッション成功!


 早速、次のミッションに移行するわ。

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