最強のメイド一家

ブドー

第1話

頂きに立ちし者には二つの道

正義が悪か



「ヘヘなかなか良い物があるじゃねぇか」

「そうだな。この屋敷に入るのは骨が折れるかと思ったが、余裕だったな」

暗い屋敷の一室に二人の盗人の声が響いた。

「よし金目のものはほとんど盗んだ」

「じゃあずらかるぞ」

二人の盗人は金目のものが入った袋を背負って部屋から出ようとする。

「あれ?」

「どうした?」

盗人の一人がドアノブを握ってから動かなくなった

「何だ!?体が動かねェ!!」

「はっ!何言ってんだよお前、ここでボケても俺しかいねえぞ」

すると突然部屋の温度が下がった

「うおっ!さぶっ!」

「どうして突然温度が下がったんだ!?」

「それは私がこの部屋に入ったからですね」

盗人二人の後ろに突然一人のメイドが現れた

「ヘヘいきなり現れてビビったが…なかなかいい女じゃないか」

「そうだなついで持って帰るか?」

「そうだな」

「はぁいつまで話をしているのですか?」

「「へ?」」

すでに二人の身体は無く首だけになっていた。

「俺たちの体はどこだ!?」

「おい!女!!俺たちの体をどうした!?」

首だけの盗人がメイドに向かって激怒する

「そんなもの凍らして消し飛ばしましたよ」

「何だと!?」

「まぁ貴方たちもすぐに死にますので」

「このクソおん……な」

「ヒッ!」

「大丈夫…貴方もすぐに送ってあげます」

「やめろォォォォォ!!!!」

暗く冷たい屋敷の一室に一人の男の叫びが響いた



「もう終わったんですか?ノシエラ姉様?」

扉を開けてもう一人のメイドが入ってきた。

「はい終わりましたよロンディ」


皆さんはじめまして私の名前はロンディ

この屋敷に住まうメイド一家の一人です。

ちなみに私の前にいるのはノシエラ姉様、私達メイド一家3強の一人です。

そして私の自慢のお姉様です!


「ロンディ?そこには誰もいませんよ?」

「あはは気にしないで下さい」

「そうですか?では私はお祖母様の所に行ってきますね」

「はい、分かりました!」

ノシエラ姉様が言ったお祖母様とは私達の主つまりご主人様です。そして亡くなったお母様のお母様です。




「ノシエラ盗人は片付けたのかい?」

「はいお祖母様」

「そうかい。そういえばロンディはどこにいるんだい?」

「ロンディなら今頃自室にいると思います」

「そう…ならロンディに伝えてくれるかい」

「ご命令であれば」

「ロンディにシャロン王国に向かい新しく現れる勇者のサポートをしろ、と」

ノシエラは頭を下げると部屋を出た。


コンコン

「ロンディいますか?私です」

「はい!ノシエラ姉様いますよ」

とロンディは勢いよく扉を開けた

「なんですか?姉様?」

「お祖母様からの伝言です」

「お祖母様から私に!珍しいですね」

「ではお祖母様からの伝言を伝えますね。ロンディ、シャロン王国に向かい新しく現れる勇者のサポートをしろ、とのことです」

「えぇ私がサポートですか、私サポート役向いてないんですが」

「まぁ頑張ってください」

「もちろん姉様も行きますよね??」

「…私は行きませんよ」

「えっ……」

とロンディは固まってしまった。

「私には別の仕事があるので」

「そんなぁぁぁ!」

ロンディが頭を抱えていると

「文句言ってねえで早く準備して明日の早朝にでも行ってこいよ」

「だってティア姉様」

「このバカ妹」

とロンディの頭を叩くティア

「暴力は良くないですよティア」

「そうですよティア姉様」

「うるさいロンディは早く準備しろ」

「だって…」

駄々をこねているロンディを睨みつけるティア

「は、はぁーい準備しまーす」

そう言うとロンディは中位のリュックを引っ張り出して準備し始めた。

「あっそうそうノシエラ姉、凍った部屋溶かしておいたから」

「ありがとうねティア」

「良いってことよ」

とそっぽを向いて頬を赤くして照れるティア

「可愛いですよティア」

「からかうなよ、じゃあ私は部屋に戻る」

「はいおやすみなさい」

「あぁ」


「ちょっとノシエラ姉様、準備手伝ってください」

「はいはい分かりましたよ」

呆れながらロンディの準備をするノシエラだったのだ

「明日から忙しいですよロンディ」

「はい〜〜」


早朝

「さあ行って来なさいロンディ」

「はいノシエラ姉様」

「ロンディしっかり勇者のサポートをするのですよ」

「もちろんですよ!メイド一家の恥にならないように全力でサポートします」

「そのいきですよ」

「はいでは行ってきます」

「行ってらっしゃい」

手を振るノシエラを背にロンディはシャロン王国に向かって歩を進めるのであった。

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