第10話 船出 目指せシュガー島

シュガー島にあるセブンス家の屋敷の様子…

「さて兄さん達が旅行に行くのは見送ったし…、ヘビヅチから船が出るのは明日!そこで逃がした商品吸血鬼をやっと捕まえれる。待ち遠しくて今から楽しみだなぁ!姉妹揃ったらどうしようか…?無難に殺戮兵器として運用?例の公爵に売り飛ばす?それとも実験施設にでも送る?いや、姉妹二人に吸血鬼を増やさせる?ああ、利用価値有りすぎて困っちゃうな!」

邪悪な考えを頭に浮かべ、一人舞い上がるグリドだったが…

ドアをノックする音が聞こえてきた。

「何だ?」

「グリド様…、お客人です」

「なんだもう約束の時間…?」

そう言ってグリドは椅子から立ち上がり、部屋を出た後執事についていった。


ビーンズ島の中でも有数の港町ヘビヅチ…

とうとうこの日、シュガー島行きの船が朝の十時に出港する。幸いにも港は晴天であり、絶好の船出日和である。だが…

「嘘でしょ…」

「一人150,000って…」

ムスビ達一行は朝の八時頃に船のチケットを購入に出たが一人150,000、合計450,000と言う相場を大きく越える値段がシュガー島へ行くにはかかることが発覚した。

「…」

「何よムスビ?何かあったの?」

ムスビがスッと看板に指差す先を二人が見ると…

「なお、ペットや大きな荷物等の当人以外の大きな重量を一緒に船に乗せる場合、追加で50,000の料金がかかります…?」

「ということは…?」

ムスビ達の所持金530,000は30,000しか残らない…

「な、何なのよこれ!?いやクラーケン出現で値段高騰中とか書いてたけどこれはやりすぎでしょ、超インフレじゃない!?」

ヘビヅチからシュガー島まで向かう為の以前までの値段は40,000である。

「ど、どうする?次の安い船が来るまで待つ?」

「でもそれじゃ一ヶ月後よ?それにクラーケンの件が解決してなきゃ値段もそのままか、今よりもっと上がる可能性だってあるわ」

「…」

「どうしたのムスビちゃん?周りキョロキョロ見て?」

「…いや、何でもない」

「ねえ、何かしらあれ?」

ミレアが見ていた先には、立て札が置いてあった。十時発の船とは別に、十一時発の船があり、一人60,000で乗船可能とのこと。

「これなら向こうに着いてからもお金は大丈夫だね!」

「でも、先着二十人までって書いてるわ!急がなくちゃ!」

そうして立て札に書いてある場所に行くとそこには三つの船があり、乗船の受付をする小太りの男が居た。

「あのすみません!まだ乗船受け付けてますか!?」

「ああ、丁度いい所で来たね。最後に君達三人で締め切りだよ」

「ホッ、良かった…」

「出発までまだ時間があるし、どこかで暇をつぶしておいで」

「じゃあ一旦宿に戻ろっか」

三人はそうして一度その船を離れていった…

それを見送った後、小太りの男は受付を止め、船の中へと入っていった…


そして十一時頃、船は港を出た…

「だ、大丈夫ムスビちゃん?」

「………大丈夫だ」

「そんなぐったりして大丈夫って言っても説得力ないわよ…」

ムスビは船に乗って十分程たった辺りから、力なくベッドに横たわっていた…

「…後どれくらいで着く」

「何事もなければ二日で着くはずだけど…」

「…二日、…二日………ウッオエッ…」

「ごめんねムスビちゃん…もう少し我慢しててね…」

ワンッ!

船に乗っても飼い主のムスビとは違い、アズキは元気一杯である。


そしてその日の昼食も食べ終わった後になるが、その頃には空も雲が覆っており、甲板にいるミレアとミサキには一切の日の光が届かなかった…

「港を出てすぐはあんなに晴れてたのに…」

「海の天気は変わりやすいって言うけどこれじゃ雨も降ってきそうだね…」

「はあ…、私は太陽の光もダメだけど、雨や川の水もダメなのよね…」

「それってミレアちゃんが吸血鬼だから?」

「そうよ。だから吸血鬼って生活してて結構面倒なのよね」

「ねえミレアちゃん?そう言えば今まであんまり深く聞かなかったけど、吸血鬼って一体どういう感じなの?物語で出てるのとかと同じ感じなの?」

「まあイメージしているのと大体同じ感じだと思うわよ?まあ私の場合少し特殊かもだけど…」

「ミレアちゃんが特殊?」

「まあそれはいいわ…。吸血鬼のこと大まかに話すわね…」


吸血鬼…

それは人々の間でも有名な一つの種族…

元々はシュガー島やビーンズ島ではなく海の向こうの大陸から渡りその猛威を振るったことでその恐ろしさがこれらの島に伝わったとされている…

外見上は普通の人間と殆ど同じである…

最も人間に似つかわしくない鋭い牙や爪等を持ち人間離れした身体能力と合わせて、その恐ろしさは人の姿をした魔獣ともいえるものである…

中には蝙蝠に化ける者、翼で空を舞う者、血を吸い人間を自分の味方とした者、様々な話が後世に残されている…

だが吸血鬼の人間離れしたその生命力こそ一番の特徴であり全ての吸血鬼に共通するものである。寿命も二百年以上生きた者が確認される程長いとされている…

吸血鬼は人間の血を自分のエネルギーに変えることができ、そうして血を多く取り込んでいく毎に吸血鬼の力は増大していくと言われている…

だが、吸血鬼には致命的な弱点がある…

太陽の光、流水、銀の武器によって吸血鬼の身体はその再生能力を発揮できずにボロボロと身体が崩れていってしまうのである…

それらの弱点も広がっており、一昔前までは吸血鬼狩り等というのも見られていたそうだ。今では吸血鬼がその猛威を振るうことはあまり見ることはなく、吸血鬼は人々の目を逃れてどこかで生活をしているのである…


「へえ…、じゃあ本にあったニンニクとか十字架は効かないんだ…」

「ええ、少なくとも私とかはそれで死ぬことはないわね。まあニンニクは個人的に苦手だけど…」

「それにしても吸血鬼なのにミレアちゃん全然血を吸わないのはどうしてなの?」

「私、昔からあんまり血を吸うのが好きじゃないの…。それに普通の料理を食べても生きていくには基本問題なかったし…」

「吸血鬼が血を好きじゃないって…」

「母さんやショコラも別に血は吸ってなかったから私達家族は本来の吸血鬼からかけ離れてるのかもしれないわね…。それに私は吸血鬼の凄い力を出せたことなんて殆どないのよ…」

「な、何だかミレアちゃん全然吸血鬼っぽくないね…」

「ええ、自分でも吸血鬼なのか疑っちゃいたくなるぐらい、本当参っちゃうわよ…。そのくせ太陽の光はしっかり苦手だから吸血鬼なのは間違いないのだけど…。ついでに言うと水もダメだから泳ぐのも出来ないし…」

「もしかして今船に乗ってるけどミレアちゃんからしたら割りとヤバイのかな?」

「まあ、そうね…。でも何もおこらなければ平気よ」

「そうだね…。でも話を聞いてたら間違いなく吸血鬼なのに不思議だよね。話通りなら、吸血鬼のミレアちゃんはもっと強くたっておかしくないのに」

「それは…」


グラァァァァァ!!!


二人が話していると船が大きく揺れた…

「痛っ!」

「な、何なの突然…」

揺れてバランスを崩した二人が周りを見ると、一行の乗る船の両サイドに、さっきまで一緒に進んでいた二隻の船が隣接していた…そして…

「ここで捕獲させてもらうぞ、吸血鬼の化け物め」

鎧を身に纏い、ミレア達に剣を向ける騎士達がぞろぞろと集まっていた。

「くっ、こいつら…」

ミレアには騎士達の鎧に見覚えがあった…

「え?な、何で私達いきなり剣を向けられてるの?」

「この騎士達はセブンス・グリドの仲間よ!間違いないわ!」

「そんな…じゃあこの船って…」

「全部こいつらの罠よ!ミサキちゃんは先に船の中へ!ムスビにこの事を伝えて!」

「で、でもミレアちゃんは…?」

「騎士達の狙いは私なんだから逃げたら皆付いてくるわよ?それにミサキちゃんがここに残っても意味ないでしょ?あのブレスレットは晴れた日にだけ使えるんだから」

「あっそうだった…」

「じゃあ頼んだわよミサキちゃん…!」

「ミレアちゃんゴメン…、ダメみたい…」

「え?」

ミレアは周りを改めて見渡すとミサキの言葉を理解した…

「船の中からもあんなに…」

ミレアとミサキは多くの騎士に囲まれていた…その数はおよそ二百人…

「絶望的ね…」

「こんなことなら150,000の方に素直に乗っておけば良かったね…」

「ええ、迂闊だったわね…」

「何も出来ないけど出来るだけ守るね…」

「まあ私も魔法で精一杯やるしかないわね…いつまで持つか分からないけど…」

話していると二人に二十人程の騎士が突っ込んで来た…

「吹きすさべ旋風よ!」

次の瞬間、ミレアとミサキを中心として吹く風が周りの騎士達を五メートル程高く打ち上げていた…

「やっぱり囲まれてる時にはこれが良いわね…!」

「盗賊で練習した成果だね!」

前方向に広く吹き飛ばす烈風…

同じく前方向に狭い範囲だが抉るような貫通力を備えている突風…

そして今回の自分を中心として、内部は安全でありながら、外部からの敵を上空へ飛ばす旋風…

ミレアの風魔法のバリエーションはどんどんと増えている…

そして目の前の敵にとってそれは明らかな脅威となっていた…

「な、馬鹿な!」

「なぜ奴が魔法を使える!」

「情報と違うぞ!奴は魔法の知識はないはずじゃなかったのか!?」

「狼狽えるな!二十人やられはしたが、魔法なんぞそう何度も使えはしない!この人数ならいける!」

今度はさっきまでとは打って変わり、一度にやってくるのは三人から五人。そして弓矢を構え前に出るものが出てきた。

「吹きすさべ旋風よ!」

だが、前に出た騎士は飛ばされ、飛んできた矢も風で弾かれていた…

「矢も通用しないか!」

「大砲発射用意!全員退避!」

騎士の一人が出したその指示を受けて、周りの騎士はミレア達から離れた…

「両サイドから撃てぇぇぇ!」

その時ミレアは大砲のある両サイドに手を構えていた。

「吹きすさべ突風よ!」二重詠唱!

ミレアは両手から風魔法を放ち、二方向にある大砲それぞれに風魔法を当て、大砲の発射口の形を歪ませた。

「なっ!大砲を潰されただと!?」

「ええい、矢を放て!」

「こうなったら魔法をどんどん使わせろ!数で奴の魔力を削るんだ!」

「流石にこのままじゃヤバイわね私達…」

「ミレアちゃん、あと何回魔法使える…?」

「旋風なら四回って所かしら」

「ねえミレアちゃん、こんなのって出来そう…?」

二人が話している間に詰め寄ってくる騎士達と構えられる弓…

「それしかなさそうね!」

「くらえぇぇぇぇ!」「ウオラァァァ!」

ミレアは天に手を向けた…!


「吹きすさべ暴風よ!」


ゴオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!

「ぬ、な、何だ!?」

「ぬぐぅぅぁ!!?凄まじい風だぁ!!?」

ゴオォォォォォォ………

周りの近づいてくる騎士や飛んで来る矢を寄せ付けず、天に向かって放たれた凄まじい暴風が次第に弱くなっていった…

だが、それをしたミレアは息絶え絶えの様子…

「な、何だったんだ…?」

「怯むな!今のを上に外してしまった以上最早奴には力は残っていない!それどころか見ろ!今の風のおかげで空を覆っていた雲も消え、奴の周りに太陽の光が差している!我々の圧倒的有利だ!」

「やってしまえ!!」

騎士達は一気に囲みながら二人に近づくが…

ブオン!

「な、何ぃっ!?」「け、剣が弾かれた!?」

見えない壁に攻撃を阻まれ騎士達は困惑していた…

「ミレアちゃん凄いよ…。ホントに天気を晴れにしてくれて…」

「もうヘトヘトよ…」

「後はムスビちゃんと何とか合流して、この人達から逃げないと…!」

だが依然として二人の周りには騎士達が取り囲んでいた…

騎士達は剣で斬りかかる、突進する、矢を放つ等二人への攻撃を試みたがどれも防がれる結果に終わった…

「くそっ!矢も弾かれてしまう!それどころか誰もあいつらに触れるどころか目の前に立つことすら出来ないぞ!?」

「何かの魔法、もしくは魔道具か!?こうなったら…!」

騎士の一人が新たな指示を出したようだ…

「どうやらこの壁一枚もあいつらじゃ剥がせないようね…!これならまだなんとかなるわ…!」

「でもどうしよう、今の私達じゃもう倒されることはなくても、誰も倒すことも出来ないよ…」

「何とか三十分位休めたら、また少し魔法を使えるようになるわ…それまで…」

二人がそうやって話していると二人を守る壁に灼熱の炎が降り注がれた…

「何この炎は…!?」

「壁がどんどん溶かされて…!?」

二人が上を見上げると天空を舞う六体の飛竜に囲まれていることに気付いた…

「飛竜部隊出撃させました!」

「船の上でまさか必要になるとは思わなかったがまあいい。これで奴ら二人もおしまいだ!」

「飛竜の中でも炎攻撃を得意とするファイヤー種!成長を重ね大人となったコイツらは並大抵の強さじゃないぞ!」

宙を舞いながら、二人を狙った炎攻撃が次々と襲う!

「何て攻撃なの!」

「一体なら大丈夫でも、三体以上で攻撃されたら守りが破られちゃう!」

「ミサキちゃん、壁の自動再生まだ大丈夫そう!?」

「う、うん!ちょっと疲れてきたけど、まだ大丈夫だよ!」

壁の再生にはブレスレット使用者、つまりミサキの体力が消費される。このまま光の壁による防御を続けてもいずれ体力が尽きて二人は捕まってしまうだろう…

そうこうしていると何故か囲んでいる騎士達はミレアとミサキから距離を取っていた…

「飛竜部隊、突撃!」

ミレア・ミサキ「!」

二人に向かって飛竜が急降下して突撃してきた!

「そんな、壁が破られ…!」

突撃してきた飛竜はミサキの壁を破り、二人に飛竜の鋭利な爪が襲いかかろうとしていた!

「くっ、ミサキちゃん…!」

「大丈夫ミレアちゃん!?私を庇って…!?」

ミレアは必死にミサキを押し出すようにして庇い、背中に大きな傷を受けていた…!

『グキャァァァァァ!!!!』

天空から、飛竜のものと思われる咆哮が聞こえていた…

「そ、そんな…」

「大丈夫よこれくらい…、それよりもあいつらにこのままだとやられるわ…」

さっきのような飛竜の突進にはミサキの守りも破られてしまう…

『キシャァァァァァ!!』

「ッ!次の奴が来ちゃった!?」

「くっ、ミサキちゃんまだ動けるでしょ!早く走って逃げて!」

「ミレアちゃんを置いてけないよ!」

二人の間近まで飛竜は迫っていた。だが…

『キシャァァァァァ!!!』

上空に居たはずの飛竜の一体が何故か襲ってくる飛竜を上から押し潰していた…

「ど、どう言うこと…?」

「味方を攻撃するなんて…」

「ん?あれって…」

「乗ってるの、騎士じゃない…!」

そう…

飛竜に乗っているのは騎士じゃなかった…

「だ、誰だお前は…!」

「…」

ミレア・ミサキ「ムスビ(ちゃん)!」

部屋で寝ていたはずのムスビの登場である。


少し時は遡り、二人が甲板で騎士達に囲まれ始めた頃…

「…」

ワンッ!

船酔いしてるムスビと船に乗っても元気なアズキが部屋の中に居るが、少しムスビには嫌な予感がしていた…

(…気持ち悪い)

「…うっぷ」

タッタッタッタッタッ!

(…さっきから結構な数の足音が聞こえる。まさかとは思うがこの船ってやっぱり…)

ムスビはゆっくりとベッドから起き上がり、二人の行った甲板まで壁に手を付きながら歩くが…

(…ヤバイ)

大ピンチの二人の状況を目の当たりにした…

(…やはり、敵に囲まれていたか。数は二百はいるか…?)

丁度今、旋風で二十人位吹っ飛んだのを見たが一度それをやってしまった以上、次からはそこまでの被害にはならない…

残りの約百八十人近くを相手にするのはとても無理だろう…

(…うっ、そしてこっちもヤバイ…うっぷ…)

(…ここに居てもあんまり良く見えない。それにここに居たら怪しまれるな多分、場所を変えるか…)

(…あそこが良さそうだな。見張り台の奴は後ろから…)

ズドンッ!

見張り台の男は背後から一撃で沈められた…

(…良し)

ムスビは取り敢えず、高いところから周りの様子を確認するため見張り台まで上った…

(…ん?)

すると両サイドの船に檻が三つずつ置かれていることに気付いた。

(…天気が晴れたな。これでブレスレットは復活したが)

(…あれがとっておきか)

晴れたすぐ後、ムスビの見つけた檻から飛竜が解き放たれていた…

(…だが、しめたぞ)

そうして飛竜は騎士を乗せた後に二人を囲むように宙を舞い、二人を守る壁もことごとく破壊していたが…

(…チャンスだ!)

二人に突撃した飛竜は一度急降下しており、再び高く飛ぶところをムスビは狙った…

スタッ…

「ん?な、何だおま…!」

「…借りるぞ」

ドコッ!!

ムスビの蹴りが炸裂した。

「アアアァァァァァァ!!!」

ボチャンッ

飛竜に乗る騎士を海に落として飛竜の操縦を奪うことに成功した…

「やはり、飛竜にも付いてたか…なら…!」

ガキンッ!

ムスビは飛竜に装着されている首輪の枷を取り外した。

「…頼みがある。俺に力を貸してくれ」

『グキャァァァァァ!!!!』

ムスビの言葉に飛竜は反応するかのように雄叫びをあげた…

「…よし。悪いが急いで下に行ってもらうぞ」

「…アズキ、しっかり掴まってろよ」

ワンッ!

一方他の飛竜部隊達はムスビが乗る飛竜が本来の動きと変わっていたことに違和感を持ってはいたが、気づく前に先手を打たれることとなった。

『キシャァァァァァ!!!』

そうしてムスビは、続く飛竜の攻撃を防いだのであった…


そして今に至る…

「おのれ小僧!何者かは知らんが我々の邪魔をするとは!」

「よ、良かった…」

「た、助かった…」

「二人共こっちに来い!」

「ええ!」

「う、うん!」

「…二人共、俺の背中に掴まれ。振り落とされないようにな」

「わ、分かったわ」

「ムスビちゃん、やっぱり心強いな…」

「…悪いがもう少し助けてもらうぞ」

ムスビはそう言い飛竜の背中を少し撫でていた。その後三人を乗せた飛竜は上空へ昇っていった…


ミレアの魔力切れ、光の壁も破られ危機的状況だったが、ムスビの登場により流れが変わった。ここからが三人の反撃開始である…

三人は無事この戦いを制してシュガー島へ辿り着けるのだろうか…

                                次回へ続く…


第十話 船出 目指せシュガー島 終

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る