第7話⁂若い4人の恋の行方⁂
日本三名園の一つで、貴重な品種の桜も見られる特別名勝兼六園の桜、水戸の偕楽園、岡山の後楽園と並ぶ日本三名園の一つ、石川県の「兼六園」
四季折々の美しさを楽しめる。兼六園菊桜や兼六園熊谷、旭桜など貴重なものもあり、桜の名所100選に選ばれている。
入学早々、早速あちこちでサークル勧誘に遭い、小百合はテニスサークルに半ば強引に誘われて入会した。
小百合は色んなサークルがある中、幾ら半ば強引と言っても何故、テニスサークルに入部したのか?
実は…テニスサークルの部長と副キャプテンに半ば強引に勧誘されての事なのだが、副キャプテン山根友樹先輩がタイプだったのもあるのだ。
この金沢大学でも隠れファンがいる程のイケメンぶりで、高身長に加え浅黒い肌と、さわやかな笑顔からチラリと除く白い歯は、一層の事、山根君を光り輝かせて、一部の石川県出身の女子達から、加賀百万石の加賀を取って『加賀王子』と呼ばれている。
要は石川県は別格(富山県😔・福井県😢)とは一線を画す、加賀百万石の石川県が誇る王子様という事で『加賀王子』と名付けられたらしい。
そう噂に聞いている。
あくまで極一部の女子達の言葉であるが?😰
どういう事かと言うと、北陸3県である石川県、富山県、福井県の中で、石川県は昔も今も完全に上から目線で、富山県、福井県を部下、子分ぐらいにしか思っていないきらいがあるらしい。
★加賀百万石の大藩だった
★煌びやかな金箔といえば石川!
★北陸新幹線で経済急成長中
★日本三大庭園の兼六園がある
★加賀友禅、知らない人はいない
★小松空港は北陸の玄関口
だが、チラッと聞いた話では、あの爽やかイケメン山根友樹は、どうも富山県出身で有るらしい。
石川県出身の女子達は固く口をつぐんではいるが?
◆▽◆
一方の江梨子は、料理研究会の部長からしつこく勧誘されてサークルに入部したのもあるが、実は…江梨子が料理研究会に入部した理由は、摂食障害で異常に食欲が増す事が有るので興味津々で入部を決めたのもあるのだ。
この料理研究会は、部員たち10数名の小さなサ―クルだが、主に、旬の食材を使った料理を楽しく作り、今まで料理をしなかった人でもちゃんとレシピが用意されており、料理が得意な先輩が作り方を教えてくれるので、安心して参加することができる。
また、役に立つスキルを身につける事もでき、自分たちで考えたメニューやアレンジを試したりすることもある。
江梨子は入部したは良いが、迷惑極まりない話だが、美人だった事が災いして、早速部長からのお誘いが待っていた。
ある時は食事に誘われたり、又ある時はドライブに誘われたりと、江梨子を何としても落とそうと徹底抗戦の様相を呈している。
だが、江梨子は、小百合を迎えにテニスサークルのあるテニスコートに向かった時に見掛けた、通称『加賀王子』の事が頭から離れない。
(あぁ~!あんな素敵な人今まで見た事無い!)熱い思いが沸々と込み上げて来るのだった。
◆▽◆
小百合と江梨子は金沢大学からほど近い場所に有る、ワンルームマンションの隣同士で学生生活を送っている。
若い2人は恋バナに興味津々では有るが、お互いに本命の話には触れずにいる。
それは何故か?
小百合は山根先輩に好意を寄せているが、なにせライバルが多すぎて少々諦め気味。
いつも女子達に囲まれてテニスコートを後にする山根先輩の後ろ姿を尻目に、諦めモ-ド。
一方の江梨子は最近部長の度を過ぎたスト-カ-一歩手前の誘いに辟易して男性に対して少々食傷気味。
◆▽◆
そして前期も終わり…いよいよ待ちに待った夏休みがやって来た。
小百合は富山の魚津に帰って行った。
だが一方の江梨子は家にも帰らず、あんなお金持ちのお嬢様にも拘わらずアルバイトを始めた。
誠に残念な事だが、本妻さんが亡くなり、母の多恵さんも正妻の座に付き何の問題もない家庭に、何故帰省しないのかは疑問だが………?
当然義兄幸助との思い出すのもおぞましい、過去の詰まった場所に帰りたくないのは重々分かるのだが……?
実は、そこには………。
のちのち判明する江梨子の家庭事情。
江梨子のアルバイト先はレストラン「涼風」。
まだ、アルバイトを始めて間のないある日の、夏真っ盛りの11時にレストランに入って行くと、どこかで見かけた後ろ姿(あれ~?どこかで見かけた事有るような?)
そして……よくよく見ると———
それは何と江梨子の憧れの王子様で通称『加賀王子』ではないか!
口から心臓が飛び出すのではないかと思う程驚いたが、その反面何とも言えない嬉しさが込み上げて来た。
エエ——————ッ!これからズ~ッと一緒に仕事が出来るなんて夢みたい!
するとその時『加賀王子』が江梨子を見掛けるなり、ロン毛のサラサラヘア-をかき上げ、爽やかな笑顔で声を掛けてくれた。
「おはようございます。僕、今日からここでアルバイトをする事になった山根友樹です」
江梨子は嬉しさと緊張で硬直してしまい話すのもやっとやっとだ。
「私は………私は………近藤江梨子と言います。宜しくお願いします」
「こちらこそ」
2人は休憩時間等に大学も一緒なので、自然に話すようになっていた。
「私ね、山根君と同じサ―クルの小百合ちゃんと、中学生の頃からズ~ッと友達なのよ」
「今度さ~小百合ちゃんも誘って海に行こうよ。そうだサ―クルの一人でテニスの抜群に上手い北村も誘ってみるよ」
「あぁ~でも~?富山に帰っちゃっているけど?でも一応誘ってみる」
早速マンションに着くなり小百合に電話をした。
「山根先輩と偶然にもアルバイトが一緒で、小百合ちゃんも誘って海に行かないかって言っているのよ。小百合来れそう?」
「エエエエ————————ッ!嬉しい……実は…私……山根先輩の事………良いな~って思っていたのよ。当然!行く!行く!」
こうして待ち望んだ海に行く日がやって来た。
日本海に面する「千里浜なぎさドライブウェイ」は国内で唯一、砂浜をドライブできる国定公園の指定を受けた能登半島の一部で、石川県屈指の景勝地として知られている。
夏はもちろん、季節を問わず砂浜を車で走ることができるので、一年中県内外からドライブを楽しむ人が訪れている。
夜明け前は朝もやが出ることもあり、幻想的な世界が広がり、また空が茜色に染まる夜明け寸前は、得も言われぬ美しさ
空と海の青さが一層濃くなる真夏の「千里浜なぎさドライブウェイ」を山根の愛車スカイラインで突っ走っている。
そして…海に付くと早速4人は、水着に着替え一斉に真夏の海に飛び込んだ。
「ワッハ————ッきっもちいい!」
「キャ————ッ!ツッツメタ―イ!」
「アッハッハッハ————ッ!」
するとその内に、どちらからともなくカップルが出来そうな雰囲気になって来た。
テニスの抜群に上手い北村君は、一目見た瞬間から江梨子ちゃんがタイプだったらしく、しきりに江梨子を誘い出そうとしている。
江梨子は山根しか眼中にない。それなのにしつこく高台の景色を見に行こうと誘われるので、少しの間山根達と離れた。
だが、小百合ちゃんはかなりの強敵である。
何か有ってはと?不安は増すばかり。
江梨子ちゃんはスレンダーなスタイル抜群の美少女だが、相反する小百合ちゃんはグラマラスなボンキュッボンの男をそそるボデイで、顔はべビ-フェイスの何とも魅力的な娘なのだ。
全く持って迷惑な北村君。
高台から流れ落ちるように急いで駆け付けたが、休憩場所に2人の姿は無い。
一体何処に消えたのか?
小百合は山根先輩がタイプだとハッキリ言っていた。嗚呼どうしよう?
小百合と山根先輩はもう2時間以上も経つのに帰って来ない。
一体何処に消えたのか?
この恋模様は、思わぬ展開へと繋がって………。
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