こんな日に
碧海 山葵
プロローグ
ベランダの洗濯物
雲ひとつない晴れた空を、僕はベッドから眺める。雨続きだった昨日までに溜まっていた洗濯物が風に揺れている。
「暇だ。」
口に出しても何も変わらないし、誰かが反応してくれるわけでもない。それでも僕は独り言を呟く。いつものことだ。
太陽が随分と上り、東向きのこの窓に差し込む日差しの強さはだいぶ弱まった。日々メディアを賑わせる記録的猛暑の影響で、僕の起床時間は少しずつ早まっている。日の出と共に全身に直撃する暴力的までな日差しと、窓を開けるくらいではどうにもならない熱気が僕を叩き起こす。本来なら昼過ぎまで眠りたいところを、5時や6時に起こされるんだから溜まったもんではない。この暇の責任をどう取ってくれるというのだろう。
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