5-7

 3学期も終わろうとしていた時、充君に


「なぁ ウチの学校のトップにいた人 京大の医学部受けたんやけど、落っこちゃって 浪人するんやってー あの人なら他の学校 受かったやろになー 充君は?」


「なんやー 落ちた時かー? 後期は大阪公立大か静岡や」


「えぇー そんなこと ウチにはゆうてくれへんかったやんかー!」


「あぁー まだ 早いと思ってなー とりあえず 京大」


「あのなー あそこ とりあえずっていう・・学校かー?」私は、あきれて、眼をむいていたと思う。だって、勝手すぎるんやものー。


「あのなー ウチは充君のなんなん? 思ってることあったら、ゆうてーなー ウチは充君が行くとこやったら、どこにでも付いていくよ そやけど、ウチも女の子やんかー 両親に相談もせんと、そんなことできひんやんかー ちゃんと、何でもゆうとってーな 大学受けるってこともちゃんとゆうてくれへんかったし・・ナ」


「すまん 紗奈 まだ 決めてなかってし、曖昧なこと言えんしなー」


「そんでもええねん ウチ アホやから はっきり、ゆうてくれへんとわからへんでー 充君についていくの 必死なんやからー」


「すまん 紗奈 自分のことアホって言うのやめとけ お前は賢いんだから」


「・・・充君・・・ごめんネ」


「いや 謝るのは俺やから・・ゴメン」


 そして、終業式の日。成績票が配られた。私は、先生から渡されたとき「瀬戸内 頑張ったな」と、言われて、中を見ないでも予想がついていた。


 お母さんが帰ってきた時、持っていって、開いてみて


「まぁ サダちゃん・・ すごいわね 頑張ってたもんねー」


 3学期だけだと学年で3番目、1年間通しても12番だった。私は、お母さんに学習塾のことをお願いした。


「サダちゃん 卒業したら、パン屋さんに行くって言ってたじゃあない? 大学行くの?」


「ウン 行きたい だから、今、必死に勉強してるんだ 今までの分も」


「そう それはそれで良いんだけどね サダちゃんが高校卒業したら、就職するんだから、お父さんと海外旅行に行こうと思ってたのにー うふっ いいのよ気にしないで、お母さんが勝手に思ってただけだから まぁ 又 4年延びたわね」


「ウン 私が大学出て就職したら、初めてのお給料でプレゼントするよ」


「まぁ そんなに立派なお給料だったらいいけどね とりあえず 気持ちだけもらっとく だったら、受験がんばるのよ」 

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