第11話 恐怖の始まり
鳥の鳴き声が木立の間を反響して伝わってくる。横たわる彼女の視界に入るのは、薄暮の日差しを浴びて薄く赤く光る木の葉と、その切れ間から覗かれる茜色の夕空だった。落ち葉の絨毯から身を起こし、黒のドレスに付いた葉や小枝を払い落とす。
「ふふ・・・、遂にやったわ。エルヴィーラと同じように、人間の体を手に入れた・・・。私の思いのままに動かせる体を」
ジュリアは、自分の手の指が自由自在に曲げられる事に感動した。自分の手の肌に触れてみる。人形の硬い肌ではなく、柔らかい人間の肌であった。
自分の魂を削っての、人間への転生にジュリアは成功したのを確信した。目が覚めた時には、この雑木林の中に横たわっていた。喜び勇んで立ち上がろうとするが、その瞬間に強い眩暈が彼女を襲い、ジュリアは慌てて木の幹に掴まった。足も力が入らず、ジュリアは、生まれたての小鹿が懸命に立って歩こうとするように、何度も膝を地面に屈しそうになりつつ、木の幹に手をついて、林の中をふらふらと歩き続けた。
「体がふらふらする・・・。エルヴィーラは涼しい顔をして、普通の人間のように歩いていたくせに、何で私は・・・」
ふらつき、歩行もままならない体から、ジュリアは、人間への転生がエルヴィーラのように完全な物ではないらしい事を思い知った。
こんなところでも、自分はエルヴィーラには及ばない事を、不完全である事を思い知らされ、ジュリアは唇を噛んだ。体を引き摺ってジュリアは歩き続けた。エルヴィーラへの憎しみが、彼女のふらつく体をそれでも前に進める原動力であった。
「待っていて、エリカ・・・。必ず、貴女の愛を取り戻してみせるから。エルヴィーラを排除してでも・・・」
そう、幾度も呟いた。そして、林を抜けて歩き続ける途中で、エリカとはまた別の少女の顔が脳裏に浮かんでくる。
それは先程、公園で話しかけた、伊織の顔だった。
「伊織は・・・私の誘いには乗らなかったけど、でもあの子の中に私の魂の一部を注ぎ込む事が出来た。伊織となら、私のこの気持ちを分け合えて、協力できる気がする。あの子も、エルヴィーラをずっと、疎ましく思ってきたから」
伊織の心の中に忍び込んだ時にジュリアは垣間見た。彼女がエリカへ向ける感情は風船のように膨れ上がり続け、暴発しかねないところまで巨大化している事を。そして、エルヴィーラに対して抱く、複雑な感情を。彼女が心の底に秘めた闇を利用しない手はないだろう。
そうして、歩き続けると、急に視界が開けた。
ジュリアの目に映りこんできたものは、古びた廃教会であった。薄緑色の屋根の建物で、建物の前方に立ち並んでいる3つの尖塔は、空を突き刺すように鋭く、その中で一際大きい塔の頂点には、祈りが途絶えた今も尚、十字架がそびえている。既に聖堂の壁には蔦が絡まり始めており、ここが祈りの場所としての役割を終えてから、経過した時間の長さを感じさせた。色彩豊かなステンドグラスが嵌め込まれた窓は、夕陽を受けて輝いていて、万華鏡を連想させた。
「蔦の絡まった、塔が3つある、朽ちた教会・・・」
ジュリアは、その廃教会を目の前にして立ち尽くした。彼女はこの場所を、直接訪れた事はない。しかし今、目の前に現れているこの廃教会は、かつてある少女がジュリアに語ってくれたものと、特徴が酷似したものだったから、恰もジュリアは、前に来た事のある場所に偶々、再び行き着いたような既視感に捉われたのだ。
木陰で目を閉じて、自分に語りかけていた。その時の声を思い出す。
『あのね、ジュリア・・・聞いてほしい。エリカが、エルヴィーラと街はずれの古い教会で結婚式ごっこがしたいって言ってるの。蔦がいっぱい絡まってて、塔が三本ある、今じゃ、肝試しなんかにも使われてる古い教会ね・・・。エリカは・・・本当に、人形の女の子にしか興味ないのかな・・・。人間の私は、何処までいっても、ただの友達でしかないのかな・・・。それなら、エリカが私の事、好きになってくれるなら、私もお人形になりたいよ、ジュリア・・・』
はっと目を見開く。そうだ、その声は伊織の声だった。どうして忘れていたのか。この廃教会に、エリカがエルヴィーラの人形を連れて行って結婚式ごっこがしたい。
その話を聞いた後に、伊織は確か、そんな事をジュリアに語っていたのだ。
あの時のジュリアは、胸の痛みを感じた。人形である自分の身からすれば、人間の体を持って、エリカと自由に、一緒に外に出かけられる伊織が羨ましいのに、伊織はそれを捨ててでも、エリカに愛される為なら、人形になりたいとまで口にしている事に。人間になりたい人形と、人形になりたい人間という奇妙な絵面が誕生していた。しかし、一見相反している両者の、その根底にある気持ちは、ただ純粋に「エリカの愛が欲しい」という同じ気持ちである事は皮肉であった。
「伊織・・・」
夕陽の中、佇んでいる打ち捨てられた教会を前にして、ジュリアは呟く。そして聖堂の入り口へと近づいていき、扉へと続く階段の前で立ち尽くした。式の際には、扉が開き、夫婦が花びらのシャワーや割れんばかりの拍手を浴びながら降りてくるであろう階段だ。
その階段を降りてくる、エリカとエルヴィーラの二人の姿が目に浮かび、ジュリアは思わず、目尻に熱いものが浮かんでくるのを感じた。人形の時には一度も感じた事のない、奇異な感覚だった。自由に、しなやかに動くようになった指で目元を拭ってみると・・・それは雫だった。
「そうか・・・これが、人間の体から出る、涙というものなんだ・・・」
雫に濡れた指先を見つめながら、ジュリアはそう呟く。そして、記憶を辿れば、「人形になりたい」とあの日、失意を込めた表情で自分に語った、あの日の幼い伊織の目にも、これと同じものが光っていた。
根拠はないけれど、あの話をした時の伊織も、きっと今の自分と同じ場面を想像して、同じ胸の痛みを感じていたのだろうと、ジュリアは確信する事が出来た。
「ああ・・・そうか、あの日の伊織もこういう気持ちだったんだ。この教会でエルヴィーラと結婚式ごっこをしているエリカの姿を思い浮かべて、心が痛かったんだ・・・。ああ、なんて可哀想な伊織・・・」
廃教会の、そびえ立つ3本の尖塔を見上げるようにしたら、ジュリアの頬を熱い物が伝い落ちた。人間の姿になっても、体温自体は人形の時と変わらずに冷たいままなのに、この涙というものだけは、内に秘めている心の熱量をそのまま外へ溢れ出させたように熱いのが不思議だった。
伊織は、自分を遊び相手の人形として大事にしてくれた人だから、これ以上は苦しませたくない‐あの、エルヴィーラという女のせいで。自分と伊織にとって、エルヴィーラがいなくなる事が、最も幸せな事なのは間違いないし、エルヴィーラを排除しなければ、伊織をエリカについての苦しみから救えないのは明白だった。
「多少強引な手は使ってしまうかもしれないけど、エルヴィーラを消すしかない・・・。私は伊織が、エリカとエルヴィーラの傍で一人苦しんでる姿を見るのも嫌・・・!エルヴィーラさえいなければ、もう私と伊織は苦しまないで済むのだから。伊織の為なら、私は魂を使い果たしてしまったって構いはしないわ」
ジュリアが伊織に忍び寄ったのは、単に共通の敵がいるからという理由だけではない。伊織という少女自体にも、ジュリアは、「自分を選んでくれた少女」という特別の思い入れがあったからだ。脳裏に浮かんだ、エリカとエルヴィーラの式の姿を頭から綺麗に消し去り、ジュリアは教会に背を向け、街の方角に歩き出す。
「待っててね、伊織・・・」
ジュリア人形が失踪した・・・。その事実は、朱宮家を震撼させた。
人形収集家の両親も半ば半狂乱になりつつ、エリカと一緒に、部屋という部屋を確認したが、全て徒労に終わった。ジュリアは影も形もなく消えてしまった。
それはエリカには、ただ事には思えない事態だった。ジュリア人形について、あのような出来事が起きてしまった、その直後なのだ。胸の中を不吉な予感が駆け巡っている。頭の中の危険信号が鳴り響き続けている。
「エルヴィーラ、これって一体・・・?ジュリアは何処に?」
夜更け、ベッドに腰掛けているエルヴィーラに、エリカは深い溜息交じりにそう言った。それを聞くエルヴィーラの方もまた、表情は硬く、じっと考えを巡らせている。
「エリカももう感じているとは思うけど、凄く良くない事がこれは起きているわ・・・。ジュリアについては。この家からジュリアの姿は消えたけど、あの子の残留思念みたいな物は残ってる。その残留思念から、強い悪意や憎しみを感じるの。
‐私の事は狙ってくるでしょうね。そして、この家でも、エリカや家族に、あの子は憎しみを向けてきてもおかしくない。その時は、人形の間で感じた霊障くらいでは済まない事をきっと起こしてくるわ、ジュリアは・・・」
エリカは頭を抱えた。つまり、これから、エルヴィーラや朱宮家にジュリアが憎しみの牙を剥く可能性が高いという事だ。呻き声が漏れる。
「やっぱり私のせいだ・・・。私が、ジュリアの事を蔑ろにしていたから、ジュリアが怒ったんだ・・・。そのせいで、今日は伊織まで危ない目に・・・」
自分は、人形の声が聞こえる。だから、少女人形達の気持ちは皆理解できていると、そう思っていた。しかし、エルヴィーラをすっかり気に入ってしまい、ジュリアとも、その他の少女人形とも触れ合う時間がなくなってからの自分はどうだったろうか?彼女達の声も、エルヴィーラの声と同じように、真剣に聞こうとしていただろうか?
「人形の心が分かる、声が聞けるからって、人形の間の、あの子達の事を何でも分かった気持ちになっていた。だけど、ジュリアがあれだけ、私とエルヴィーラの事を恨んでる事にも私は全く気付かなかった・・・。声を出せても、話せても、言葉にして伝えられなければ、それを聞こうとしなければ理解なんて出来る訳がないのに、最近では殆ど、ジュリアも含めてあの子達の声を私、聞こうとしてなかった・・・」
夜、ベッドに入ってからもエリカの自己嫌悪は治まらなかった。毛布に潜り込み、何とか寝ようとしても、自分が小さい頃は、純粋に大好きだった筈の少女人形を、いつの間にか選り好みして、選別するようになっていたという事実に、今頃になってようやく気づかされ、黒い渦が延々と頭の中を回っている心地だ。
エルヴィーラはずっと傍にいてくれたが、床にはつかず、ベッドの端に座ったまま、じっと耳をすますように、目を閉じていた。その姿は月の光に照らされて、彼女の金髪は神々しい程に輝いていた。
エリカが毛布に包まったまま、「何してるの?」と尋ねると、エルヴィーラは振り返り、答える。
「邪悪な人形の気配がないか、集中して、家の中や外を探っているの。もしもジュリアがこの家に戻ってきて、何か仕向けてくるならば、相当に強い、邪悪な気配を感じる筈だから」
伊織と、人形遊びにずっと興じていた頃、自分はエルヴィーラで、伊織はジュリアを選ぶのが定番だった。そんな遊ぶ「友達」だった筈のジュリアが、今は危害を加えてくるかもしれない。その事が哀しかった。
宵闇が立ち込め、薄い月明かり以外に光のない部屋なのに、エリカが表情を曇らせたのが見えたように、エルヴィーラは声をかけてきた。
「エリカは自分を責めすぎないで・・・。あの人形の間の女の子達が皆、エリカに対して恨みや、憎しみを抱いてる訳じゃない。人間が一人一人性格があるように、人形だってまた一人一人、全然性格は違うから。ただ、ジュリアは人一倍誇り高くて、自分こそは一番でありたいという気持ちが強い子だから、怒ってしまったのでしょうね・・・。ジュリアからはそもそも、同じ職人の工房で生まれたその日から私は目の敵にされてきたし・・・」
そこまで話したところでエルヴィーラは急に言葉を切った。そして、ベッドを離れると、庭に面した窓の方へ近づいていく。
「え、エルヴィーラ?どうしたの・・・」
「静かに・・・。あの子が来たかもしれないから・・・。ジュリアの気配を、今、家の外に感じたの」
エリカは息を呑む。姿を消したジュリアは、完全に憎しみに満ちた人形に堕ちて、朱宮家を襲いに来たというのか。
「大丈夫、あの子が真っ先に狙ってくるのは、私の筈。ジュリアからは随分長く、恨みを買っているから・・・」
それは、全く大丈夫ではないのだがと思いつつ、エリカは、抜き足差し足で窓際に近づいていき、エルヴィーラの隣に並ぶ。そして、カーテンの隙間から、家の門前へと、恐る恐る目を向けた。
思わず悲鳴が出かけて、自分の口を手で押さえて無理やりそれを飲み込む。門の前に誰かが立っている。黒いローブのような物でも被っているのか、輪郭だけでは男性か女性かもはっきりしない。
「何・・・、あの人影?まさか・・・ジュリアも、人間の姿に転生したとか・・・」
しかしエルヴィーラは、エリカの言葉に対して、首を縦に振らない。何か、不思議な物を見つめるような眼差しをしている。
「おかしい・・・ジュリアなら、私が心で何か言葉を送れば、何も返事しない筈がないのに、あの人影からは何の反応もないわ。それなのに、ジュリアの息遣いを凄く感じる・・・。あの人影は一体?」
ジュリアではないという事か。それでは、あそこに佇む人影の正体は何なのか?
すると、その人影がゆっくり、窓辺のエリカとエルヴィーラの方を向いた。
エルヴィーラがエリカを庇うようにして、瞬時に窓枠の下に隠れる。
「ば、ばれたかな・・・?」
エリカの心臓の高鳴りはまだ続いている。エルヴィーラは、ジュリアとばかり思っていた相手の正体が分からずに、考えあぐねている様子だった。
その時、階下の部屋-エリカの部屋の真下は、リビングがある‐に、パリンという、硝子の割れる音が派手に鳴り響いた。エリカは凍り付いて、その場から立てなかった。
階下のリビングの窓硝子が割れた音はエリカの両親も叩き起こし、警察まで通報する騒ぎとなったが、窓の割れ方に「こんな奇妙な割れ方は見た事がない」と警官からは言われ、屋内に誰も侵入者などもいない事は確認された。
「エリカは大丈夫だから、部屋で休んでなさい」
まだ警察と、戸締りの事などで話をしている両親にそう言われ、2階の自室に戻されたエリカだったが、ここから眠りになどつける筈がない。ベッドに戻ってからも、恐ろしくてずっと震えていた。
『ユルサナイ・・・』
あの時、人形の間で聞いたジュリアの声が耳元で再生される。もうあの人影も、家の前からいなくなったのを見届けても尚、ジュリアは何処かから、自分を見ているのではないかと恐ろしくてたまらなかった。大好きな人形の為に、恐怖の底に突き落とされるなど考えてもいなかった。
枕に顔を埋めたまま、小刻みに肩を震わせていると、そっと触れる、ひんやりとした手の感触があった。
「ひっ!!」
それにさえも反応してベッドから跳ね起きると、
「しっ。大丈夫、私よ」
と聞き慣れた声がした。目が慣れてくると、輝くような金髪が、月明かりに照らされて、エルヴィーラの姿が浮かび上がってきた。
「エルヴィーラ・・・。ごめん、私、今、怖くてたまらなくって・・・。ジュリアが、私の事を恨んでて、襲ってきたのかって思うと」
「エリカ。大丈夫、私が傍にいる限り、ジュリアには絶対危害は加えさせないから、安心して横になって」
「で、でも・・・!」
つい先程目にした、リビングに散らばって、月光を受けてその断面を煌めかせていた、無数の硝子の破片達。そして、睨むように家の前の門に立っていた、人影。一変した生活の中で、どうやって安心できるというのか。
エリカを横にしたエルヴィーラは、自分も布団に潜り込んで、隣に並ぶ。
「私は元々、眠りを必要としない人形だから、一晩中でも、エリカを見守っていて平気よ。安心して眠れるように、子守唄を唄っていてあげる」
そう言って、エリカの背中をさすりながら、子守唄を唄い始めた。完全な西洋人形の外観をした彼女の声で、日本の昔の子守唄を唄っているのは、ミスマッチな光景にも思えた。しかし、彼女の歌声は、心地よいそよ風に揺れる木の葉の下に横たわっているような、そんな気分にさせる不思議な効果があり、あれ程恐怖に支配されていたエリカの心も次第にほぐれていった。
「エルヴィーラって、元西洋人形の女の子なのに、日本の昔の子守唄、沢山知ってるのね」
「ええ。私が、70年以上昔、この国に来て、一番最初に出会ったあの方・・・。私が人間になって、結ばれたいと思ったあの子が、私を枕元に置いては、赤ん坊をあやす真似か何かでずっと歌ってくれていたから。子守唄は沢山覚えたわ。今は歌えるから、こうしてエリカを安心させられたらいいなと思って」
エルヴィーラが、エリカに似ているといった、戦争中に病没したあの少女の事か。
「・・・エルヴィーラは、やっぱり、70年以上前に死別した女の子と、私が似てるから、重ね合わせてるの?」
思わずそんな問いが漏れた。
「・・・昼間に、伊織からもそんな事を言われたわね。エリカを代用品扱いするなって。でも、誤解しないで。初めて会った時、あの子が帰ってきてくれたって思ったのは事実よ。だけど、それは今になってはきっかけに過ぎない。今の私は、貴女の事を、あの子の代わりなんかじゃなく、朱宮エリカとして見ているし、貴女がエリカだからこそ、結ばれたいの。もう私は、あの子の代わりを追い求めてなんかいないわ。それは、向こうの世界にいる、あの子にも失礼な事だから」
その言葉を伊織が聞けば、きっと、エルヴィーラは自分の都合だけで、エリカに勝手に、死別した少女の代わりを求めているという誤解は解けるかもしれない。
「明日、伊織と仲直り出来るかな・・・ちゃんと、エルヴィーラの気持ちも分かってもらって」
「伊織が、私の事は嫌いなままでもいい。ただ、エリカと伊織がこのまま気まずくなってしまうのは嫌だし、仲直り出来るって信じてる。10年間、貴女と伊織を見てきたからこそね」
徐々に眠りに落ちていく意識の中、エルヴィーラの声に包まれながら、エリカは思った。
『伊織とは何度も、ぶつかってきてしまったけど、ちゃんと私の方からも謝ろう・・・。伊織があんな風に、当たり散らすみたいに怒るのは、絶対おかしい・・・、直せるところは直すから、友達に戻ろうって・・・』
この時、エリカは、まだ伊織の怒りと哀しみの根源を理解しきれてはいなかった。
明くる日、自分の考えがまだ甘かった事を、エリカは思い知らされる事となった。
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