自称美少女探偵による『寝取り復讐』のカテイ

楠 楓

第1話 つまらない。

つまらない。

華の高校生になった俺、鈴原涼太が最初に思ったことだ。

俺は、昔から何にでも無関心な奴だった。

勉強も娯楽も、俺にとってはつまらないことだ。

しかし、そんな俺にも彼女がいる。


「いよいよ私たちも高校生だね! 涼くん!」

「あぁ。そうだな。」


彼女は小森日南。

小柄な体にベリーショートの髪をした女の子だ。

家が近く、親同士が仲がいいということもあり、小さい時から仲がよかった。

そして、つい最近交際を始めた。


「早く行こ! 涼くん!」

「あぁ。」


俺はこの日常は嫌いじゃない。

今のままで満足していた。


「え〜っと、私たちは五組だって! おんなじクラスだよ!」


日南は俺の手を取って大層喜んでいた。

俺としても、気が知れている奴がいるのは悪いことじゃない。


「じゃあ、人も多いしさっさと行くか。」

「待って。」


俺が校舎に入ろうとすると、日南に手を引っ張られた。

俺は一瞬体制を崩したが何とか持ち堪えた。


「……どうした?」


日南の目は、その小柄な見た目からは想像もつかないほど鋭い目をしていた。


「前髪……崩れてるよ?」


日南はそのまま、手を伸ばして俺の前髪を下げた。

日南がこうなるのは別に珍しいことじゃない。

特に、中学生になった頃からよく目にするようになった。


「……悪い。」

「ううん! 大丈夫だよ? ほら、行こ?」


日南は、俺の手を握ったまま歩き出した。

一年生の教室は、本校舎四階にある。

階段を登るのがだるい。


「ここが五組の教室だね!」


日南は勢いよく扉を開けた。

教室内は数人いて、みんな本を読むなり窓の外を眺めるなりしていた。

俺たちはそれぞれ自分の席について荷物の整理を始めた。


「すごいね、有名私立高校ってだけあって綺麗な校舎だね。」


荷物整理を終えた日南は俺のもとに来た。

この学校の説明をすると、ここは空央学園。

都内でも有名な私立高校だ。


「オープンハイの時に見たんだけどさ、体育館もすっごい広かったんだ〜。ここでバレーするのが楽しみ!」


そう、日南はスポーツ推薦でこの高校に入学した。

俺はあまり見たことがないのだが、日本代表候補とまで言われているらしい。

俺も何度か見に行こうとしたことがあるが、いつも止められてしまう。

何でも、バレーのユニフォーム姿を見られるもが恥ずかしいらしい。

そして、俺と日南が話していると教室の扉が開いた。


「……。」


制服を着崩していて、恐らく日焼けサロンで焼いていると思われる黒い肌にしっかり根本まで染められた金髪。

そしてガタイのいい体。


「……。」

「ねぇ涼くん、あの人すごいね。」

「……あぁ。」


どうやら、この高校はつまらなくはなさそうだな。


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こんにちは、クスノキです。

新シリーズです! ですが、こちらと、VTuberおじさんの小説は、私が書きたいと思ったら書いていきますので、多少更新は遅れると思いますが、頑張りますので、よろしくお願いしますm(_ _)m




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