銃殺の哲学者

√x

第1話

私は考える。銃が私の頭に向けられているとして、どの瞬間に私は死を迎えたと言えるのだろうか。


向けられた瞬間か?引き金に指がかけられた瞬間か?撃鉄が下がった瞬間か?上がった瞬間か?弾丸が発射された瞬間か?弾丸が頭に触れた瞬間か?貫通した瞬間か?


そうだな。私が死体となるのは被弾し、ショックで意識を失うか出血多量で意識を失うかだろう。事実上の死は別だと仮定してみよう。


確率で考えるとすると、銃から弾丸がでて、被弾するまで流れが進行するに連れ死体になる確率が上昇するだろう。ではどの程度の確率かで死と仮定できるだろうか。


「おい、哲学者。黙ってねえでなんか喚いたらどうだ?今から死ぬんだぞ。」


そうだ。本当に銃を向けられていたのだな。忘れていたよ。では考えようか。今の私は死んだと言えるのだろうか。どうだろう?次に撃たれてからどの瞬間に死と言えるのだろう。撃たれなければ。


「さっさと撃つがいい」


バン


弾丸は頭を貫通し


⬛️


読者の液晶に穴を開けた。さあ、読者は死んだと言えるのだろうか。

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