第26話 コミカライズ
奇跡としか言いようがナイのですけれど、「姫さまですよねっ!?」の発売と同時に、コミカライズが決定していました。素人の私が賞を頂いて本が出るだけでもスゴイのに、コミカライズ…………。
どうしてそういう流れになったのかは、いまだにナゾです。
訊けば教えてくださるのでしょうけれど、お忙しい編集さまにわざわざ訊いてお時間を取るのも……と遠慮しています。
あなたは「アレ? 編集さんと作者って、もっと冗談とか言い合うんじゃないの?」とお考えかもしれません。私も、そう思います。
じつはコレ、コロナのせいなのです。編集のPさまと私、会ったことが一度もナイのです。主なやり取りはメール。込み入った時は電話。ズームは二回くらい。
Pさんが「本が出る前に、一度は! 一度は会いましょう! 今まで(作者と)会わずに本が出たことなんて、一度もナイです! ありえない! 会いましょう!」と言ってくださったのですけれど、ちょうどコロナの第二波の頃だったので会えずじまいです。
なので今日は、私サイドから見たマンガ化の経緯を……。
ある日、スマホが鳴りました。担当のP様からです。
「姫さまを、ちゃおコミというマンガサイトで漫画化しようという話があるのですが、イイですか?」
ビックリしたのと同時に感心したのは、ど新人の私にきちんと許諾の確認をしてくださる気遣いでした。
「ももも、もちろんです! お願いします!」
「マンガの監修とかありますけど、またお願いします」
「わわわ、わかりました!」
あまりの幸運に、動揺したまま電話を終えます。たしか、マンガ化と言ってらした……。私のお話が、マンガになる? マジで? あまりにスゴイ出来事なので、信じられません。っていうか、信じないコトにしよう。期待してボツになったら、悲しすぎるから。
半信半疑、疑心暗鬼で待っているうちに、新しい心配事に気づきます。
「マンガの監修って、どうやるんだ??」
マンガを描く方なら流れがわかるのでしょうけれど、私はマンガは描けません。なんなら小説も、書けません。生まれて初めて書いた20本のお話のうち、1本だけが大当たりしただけの素人です。そんな私に、できるのだろうか……?
不安は杞憂に終わりました。誰も私にマンガ家の素養を求めていませんでした。
小説のキャラクターデザイン(すべて七海喜つゆり先生がデザイン)を基に、くろだまめた先生がマンガを描いてくださいました。私が拝見したのは、ネーム? 下絵? ラフ? 大まかな絵と、セリフが書いてある下書きでした。大きな修正がなければ、絵を仕上げて完成だそうです。
思えばプロのイラストレーターさまと、漫画家さまが関わってくださるのも、破格の好待遇です。どうしてそうなったのかも、ナゾです。
七海喜先生のキャラを見た時も嬉しくて飛び上がりましたし、くろだ先生のマンガを読んだ時も、飛び上がりました! 大好きなキャラたちが、マンガになってる!!
ここまで書いて、苦い思い出を、思い出しました……。
七海喜つゆり先生のキャラデザインを、Pさんがデータで送ってくださった時のことです。
「双子のお姫様は、コレでOKですか? 修正点があれば、教えてください」とのことでした。見ると、全身像でフルカラーのリリと清が!!!!!!!
「かわいい、かわいい、がわいい、がわわ……!!!」
あまりの可愛さに、かわいいしか言えず……。でもこういう場面って、作家なら豊かな語彙力を求められると思うのです! Pさまに、私の実力をアピールするチャンス! 大きな感動を的確な言葉で表現せねば! そして完成したお返事メールは、
「かわいいです。めっちゃかわいい!めちゃめちゃかわいい!」
ダメじゃん……。ぜんぜんダメじゃん……。何度も書き直したのですけれど「かわいい」しか思い浮かばず……。この時の苦い思い出を糧に、マンガの時は素晴らしい感想文を書く! ゼッタイだあ!
そして、マンガの下絵を見た感想は…………。
「おもしろい、おもしろい、めちゃめちゃおもしろいです!!!」
1ミリたりとも、進歩してない。ダメじゃん……。
アレですよ。自分にナイ実力を求めても、ムリなんですよ。私の実力は、この程度なのですよ……。いいよ。私に実力なくても、イラストもマンガも素晴らしいから。
そしてすでに、第2話までネット公開されています。私、なんにもしてナイです。
「おもしろかったです!」しか言ってない。それ、ただの感想ですから。
このままアニメ化(まだ決定してない)も、映画化(まだ決定してない)も、舞台化(以下略)も、同じノリで進むのだろうな~。優秀な方たちのおかげです!!
アニメも映画も舞台もぜんぜん話は決まっていませんけれど、ハリウッドのレッドカーペットを踏む時の服装は、すでに準備してあります。ニンジャですよ! (← 超ポジティブ)
どういう立場でレッドカーペットを踏むかはナゾですが、準備だけはできてます! (← ものすごいポジティヴ)
受賞のスピーチは、上手にやります! 流れるような英語で、あなたを感動させるスピーチをいたします!
待っててください♪ (← ド級のポジティヴ)
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