第19話 おっぱいが、いっぱい。

 お出かけの服装って、どうしてます? おしゃれ、してます?


 私は「クシャクシャの開襟シャツに、ジャージズボン。寝ぐせ隠しの野球キャップ。クツはスニーカー」が定番です。エリ付きのシャツにキャップをかぶると、秒で不審者になれます。ちぐはぐ感が、ハンパないです。しかもクシャクシャ。その上、常に同じデザイン。周りの皆さんは「いつも同じ服を着てるアヤシイ奴」と思っていることでしょう。


 言い訳させてください。シャツはクシャクシャですが、真っ白です! 常に洗いたてのシャツです! アイロンがめんどくさいからクシャクシャですけれど、清潔です! ジャージも洗いたてです!「いつも同じ格好だから、洗濯してナイのでは?」と思われるかもしれませんけれど、シャツは2枚、ジャージは8本持っています!いつでも!清潔です! お外に出るときは、ちゃんとパンツも履いています! 完璧です! ……おしゃれかと問われると、ぐぅの音も出ませんが……。


 話は、ぜんぜん変わります。このお話、以前からあちこちでするのですが、いまだに賛同者がいません。「そんなこと、あるわけない!」 「ない! 一回もない!」と言われます。もし「私も経験ある!」という方がいらしたら、ぜひ! 教えてください!


質問。 歯科とかエステとか美容室とかで、スタッフさんのおっぱいが頭に当たりませんか?


 私、めちゃめちゃ当たるんですけど。頭にほわわん♪ ほわわん♪って。相手は女性で、私も女性だからでしょうか? それにしても、頻度が多い。当たるならまだしも、胸にアタマが埋もれる時があります。スタッフさんが作業に夢中になって身を乗りだした結果、私のアタマが胸に埋もれるという……。

 埋もれるならまだしも、「置かれた」ことがあります。大きな胸を、私のオデコの上に「ヨイショ」って、置かれたのです。


それは、矯正歯科での出来事です。私は歯列矯正をするために、すべての歯に金具を接着していました。金具にワイヤーを通して、引っ張る力で歯を動かします。

 本題から逸れますが、イタイです。ものすごくイタイです。どれくらいイタイかと言うと、痛みで性格が変わるくらいイタイです。あまりに痛すぎて、人の痛みを自分の痛みのように感じる性格に変化しました。それはイイコトなので、結果オーライです。


 話を戻します。

 この金具の掃除がタイヘンで、放っておくと虫歯になります。月に一度、歯科に通って掃除をしてもらっていました。その日は患者さんが多くて、待合室も診察室もバタバタしていました。平日の午後6時くらいです。みんな早く帰って、ご飯を食べたい。患者さんは、イライラモードです。そんな患者さんを、テキパキとさばいてゆく歯科衛生士さん。常に笑顔を絶やさず、天使のようです。


 私は何度も通っていて、お馴染みさんになっていました。衛生士さんたちと、ちょこちょこ雑談もします。

「今日はお忙しいですね! お疲れ様です!」

20代のAさんは、大きな胸を揺らしながら笑顔を返してくれます。

「ほんとに! 今日は朝からずっとこんな感じなんです!」

 

さっそく作業が始まります。

私は治療のイスで横になり、Aさんは私の口の中を掃除します。力仕事ですが細かい作業なので、神経を使います。Aさんは熱中するあまり前のめりになり、私のアタマにぐいぐいと胸を押し付けてきます。

胸は、かなり大きいです。スイカくらい。押し付けてもボリュームがあるので、胸がジャマをして口の中がよく見えないようです。

Aさんは、ため息をつきました。ずっと忙しかったので、お疲れモードです。優しい言葉をかけたいけれど、口が開いてるからムリです。


のし!


寝ているオデコに、柔らかくてあったかくてイイニオイのする重いものが乗りました。胸です!私のオデコに、胸が乗ってる!!!!!! 

Aさんは、終始無言でした。あまりに疲れてご自分が何をどこに乗せているのか、よくわかってなかったのでしょう。私は口を開けていたので、何も言えませんでした。


とくにオチのナイ話ですが「同じ経験をした!」という方は、ぜひ教えてください。

ちなみにこういう場合、私がどういう反応を示すかと言うと、ニヤニヤアァ~……と、ものすごく気味のわるい笑顔になります。女性同士でも、すごく得した気分になります。無表情でいないといけないのですが、どうしても顔が笑ってしまう……。









 

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