第3話 ディスる?

 初めての本を出してもらって、嬉しいご縁がたくさんできました。そのご縁で、川本 勇さんのYouTube「びわモニ」に呼んでいただきました。滋賀県の地元情報をお届けする、生配信の番組です。「びわモニ  作家」で検索していただくと、私が出てくると思います。


 私はクソ貧乏なので、おうちにテレビがないので、川本 勇さんを知りませんでした。「勇さんて、スゴイ人なんだ」と思ったのは、元夫(私はバツ2)との会話です。


私  「小説を書いて、賞を頂いたのよ」

元夫 「すごいやん!」 

私  「副賞で、本が出るのよ」

元夫 「すごいやん!」 

私  「それで川本 勇さんっていう方の、番組に出してもらえるの」

元夫 「えっ!? 勇さんっ!? それって、マジですごいやん!!」 


賞を頂いて本が出るよりも、勇さんはスゴイらしい………。


 そんな勇さんはたぶん「ヘンなヤツが頑張ってるから、本の宣伝をさせてやろう」と考えて、番組に呼んでくださったのだと思います。今、思えば……。

 私は空気が読めないので、まったく的外れな目標を立てました。「一回くらいは、笑いを取る!」。本の宣伝は、思いつきもしませんでした。

 今なら、わかります。49歳で作家デビューしたおばちゃんに、誰も笑いは求めていません。今ならわかるのですけれど、その時は全然わからんかったとですばい。


 YouTubeは生配信。一発勝負です。他にもゲストの方がいらして、自分勝手なことはできません(したけど)。ゲストの方たちは素敵なお話をなさっているので、ナメたマネはできません(したけど)。司会の勇さんやアカシさんの強力なアシストで、ちょっとは笑ってもらえました。自己評価は、120点!わたし、頑張った!


 自分は満足ですけれど、視聴者の方が満足するか?それは別問題です。ディスられる覚悟をするために、一人でアンチコメントを考えました。

「ババァがはしゃぐな」「ブサイク」「おもんない」……。あらゆる悪口を考えているうちに、落ち込んできました。自分で自分をディスるって、的を外さないだけにツライ……。

 なんとか絶望の淵から這い出すと、コメントが1件届いています!キターッ!!

もう一度、数々の自作アンチコメントを思い出します。これで、大丈夫!どんなコメントが来ても、想定内。


 ドキドキしながらコメントを読むと、たった二文字。


「女?」


そこからっ!? ねぇ、そこからっ!? わたしのスタート地点は、そこからっ!?

おばちゃんとかブサイク以前に、性別からっ!? しかも「?」が付いてるってことは、判別しかねるっ!? 笑えるかどうか以前に、女かどうか、性別で迷ってる!? めちゃめちゃ初歩的なとこですけどっ!?っていうか、逆に聞きたい!いったいどう見えてるんだっ!? おいちゃんかっ!? おいちゃんに見えるのかっ!?

あまりにも斜め上なコメントに、笑っていいのか怒っていいのか………。


ちなみに身体の性別は「女」です。ぱっと見は女に見えると思って生きてきましたけれど、コメントのおかげで自信がなくなりました………。


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