いしのなかにいた

CANDY雷子

第1話

「ここは1999年4月16日、iMacを買ってインターネットを始めたばかりの私のワンルームだよ」


何かがわからなくなると、やり直したくなると、今いる時刻と場所を声に出して呼びかける。走馬灯を遡る時にどこにいるかわからないでは困るから、鏡をつかんで空に向け手首をひねる。チカリと光らせて狼煙を上げる。


ここは2022年7月17日9時11分、場所は…


私は私に呼びかける。ボンダイブルーのプラスチックの中から見つめていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いしのなかにいた CANDY雷子 @candyvault1999

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る