◇プロットの書き方 3[三幕構成]
前回、起承転結、序破急、5段構成についてお話ししました。
今回は、映画で使われる三幕構成のお話しをします。
この理論を体系化した人物、シド・フィールド氏の著書【映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと】これがもっともわかりやすく明確に三幕構成について記された本です。
こちらの内容と、うぃきぺであああとを参考に調べてみました。
こちらはとにかく細かくなっているので
できるだけ簡単に簡略化して伝えるつもりですが、わかりにくかったらすみません。
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■【三幕構成】
映画における物語の作り方で有名な構成です。
序破急によく似ていますが、こちらはもっと細かいです。
長編には使い勝手がいいかもですが、ちょっと複雑でもあります。説明がすこし長くなります。
・第一幕:設定 :はじまり
誰が何をするストーリーなのかが明確に示される。また主人公の目的が提示される。
・第二幕:対立 :中間
障害との対立、追い詰められ、打開する手段を模索する
・第三幕:解決 :終わり
主人公の目的が収束し、ストーリーが結末にむかう。
いや、さらっとしすぎや。
すみません。
基本的にはこれが構成になります。
そして三つの構成をつなげる部分を【ターニングポイント】といいます。
いわゆる、次の展開へ進ために主人公がおこなう行動、セリフ、転機となる現象のことです。これが常に発生することで、次の展開へ進みます。
つまり、
設定(転機)対立(転機)解決
という構成ですね。
これらを基本的な知識として持った上で、続きをご覧ください。
とても細かく分類されています。
・(オープニング)
・セットアップ
・インサイティング・インシデント
・セントラル・クエスチョン
・ ファースト・ターニングポイント
・ピンチ1
・ミッドポイント
・ピンチ2
・セカンド・ターニグポイント
・クライマックス
・エンディング
◆第一幕【設定】
メインキャラの確定、状況の設定、目的の提示、つかみとなる事件、解決すべき問題。
・オープニング
いわゆるプロローグ。
世界観のざっくりとしたイメージや、主人公のざっくりとしたイメージが提示される。
冒頭戦闘シーンなどの場合はその部分。
・セットアップ
世界観、キャラクターの関係、登場人物とストーリーの関係、主人公の目的、そして物語の目的など。
つまり、主人公が誰で、何をするのか。ということを明記する。
物語全体の10%がここであり、もっとも読者を大事な読者を惹きつける部分。
また、主人公がどのような人物なのかが提示される。例えば主人公の平凡な1日が記されることで、交友関係や癖、どういう性格か、などが示される。
・インサイティング・インシデント
物語の掴みとなる事件や出来事のこと。例えば、敵との最初の遭遇や、上記で記された日常が崩壊する出来事など。
また大きな出来事ではなくとも、主人公がもつ古く悪い思い込みやなどが敵として表現されることもある。
・セントラル・クエスチョン
主人公が解決しなければならない問題。目的のこと。
主人公を巡る具体的な問題を幾つかのシーンを使って表現する。
また、この物語は、主人公は目的を達成できるか? という話だ。ということを記している。
・ファースト・ターニングポイント
ダイナミックな出来事。キーイベント。物語のきっかけとなるポイント。最初の転換期。ゴールが明確になり、非日常に足を踏み入れる。
例えばこれまで出会わなかった人種に出会ったり、別の世界へ飛んでしまったり。
これにより主人公は後戻りできない状況に追いやられる。
◆第二幕【対立】
主人公に困難が発生し、それを乗り越える。また目的意識が明確化したり、主人公が意思を強くもつ。方針を確定して立ち向かう。主人公の成長。などのシーンが描かれる。
・ピンチ1
敵対者が攻撃してきたり、何かの問題に直面したりする。が、基本的には主人公にとって良い方向へ進む。
敵に見つかりかけるが、逃げ切れる。仲間に助けられる。乗り越える。など、基本的にはポジティブで成功へ繋がる展開が求められる。
・ミッドポイント
全体のちょうど半分の地点に発生する重要イベント。
主人公の危険度が上昇し、大きく衝突したり、一人になってしまったりと状況が一変する。
あるいはそれまで信じていた物が壊れてしまう。失敗や挫折が書かれるポイントでもあるため、それまでの考えを変えて、方向転換する必要が生じたりする。
・ピンチ2
再び脅威が起こる。さらなる挫折や失敗が起こる。状況が急降下するなど悪い出来事が多い。
・セカンド・ターニグポイント
全体の3/4で設置されるポイント。
より危険が発生したり、悪い方向へ向かう。どん底に主人公が落とされたり、仲間が死んだりするのもこの部分に当たる。
FF7におけるエアリスの死や、クラウドの正体が判明するなどのシーンがここに当たると考えられる。
◆サブプロット
第二幕の一部でもあるが、それまであったストーリーとは違うストーリーが発生する。
物語を複雑にする部分であり、これがあることで、単純な物語を複雑で凝った物語へ変化させることができる。
多くの場合、ファンタジーやバトル映画に置けるラブシーンなどがそれに当たる。
ここに関しては不必要に感じる人もいるのではないだろうか。
しかし、なければないで、ストンとした物語になってしまう。
ここで立ち直るポイントを入れることもある。
FF7では主人公クラウドが廃人になり、そんな彼を介抱するシーンなどがここに当たる。
◆第三幕【解決】
すべての解決を行う。
・クライマックス
緊張がもっとも高まる場所。提示された目的を達成するための直接的な行動が記される。
精神的に成長した主人公が、最大のピンチをくぐり抜け、勝利し、基本的にはハッピーエンドへ向かう。
ハリーポッターの最後の戦いがここに当たる。
・エンディング
「予測できるようなものでも、無理矢理作られたものでもなく、真実味を帯び、リアリティを持って観客を納得させられるエンディング」wiki参照
ここでは基本的には観客に満ち足りた気分を与えるエンディングが好まれる。安定的でもあるため、そういったエンディングが用意された話が多い。ここが奇妙な方向へむくと、読者からどうしてそうなったのか。と突っ込まれかねない。
しかし一方で「え、せっかく逃げられたのに?」という大どんでん返しもここで行われる。
潜水艦から脱出して、海岸にたどり着いた途端に銃撃されて全員死亡。とかそんな結末もありうる。
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基本的には映画の脚本に使われるため、2時間映画などを想定して作られているが、小説にも応用できると考えられます。
何度か例をあげたハリーポッターなどもこの構成がうまく使われています。
長編が思い浮かばない。という人はこの方法をとって見るのもいいかもしれません。
次回は私が行っているプロットの作り方について書いていきたいと思います。
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