第240話 おこぼれ ②

あの時、家業を継がないで、ほんとーに良かった。


俺の見る目って奴は、本当に天下一品だが、ここまで上手く事が運ぶとは、流石の俺でも、ちょっと想像がつかなかったな。


いやぁ。言ってみるもんだな。

「天智さまぁ。ボク、采女の安見児やすみこが欲しいなー」

「いいよ。オマケに鏡王女もあげるよー」

やっりぃ。




★☆★


藤原鎌足


鎌足は、644年に中臣氏の家業の祭官に就くように命じられましたが、固辞してます。


また、万葉集に載っている

「われはもや安見児得たり皆人の得難にすとふ安見児得たり」

という首は、采女の安見児を貰った喜びを歌っています。


采女は、各国の豪族から女官として天皇に献上された美女達で、天皇以外が手を出しちゃいかん娘達なわけですな。

(ハレム・後宮・大奥の女性達と同じだけど、家臣の目に触れる分、目の毒だね)

普通は、下賜もされないらしいけど、天智天皇と鎌足の間柄なので、めっちゃ特別な“おこぼれ”です。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る