第226話 ないものねだり

血筋、家柄、財力と、三拍子揃った家庭に生まれ、頭脳明晰、スポーツ万能、容姿端麗な君の手を、迂闊に握り返してしまったのは僕の罪。


気が付いてしまったんだ。

君の愛はないものねだり。

光しか持ってなかった君が、欲しがったのは僕の闇。


鏡をごらん。

捨てられて、憐れな陰を手に入れた君がいるから。




★☆★


なんつーんですかね。

『他人の目から見たら、無いものなんてないだろうってキャラのないものねだり』ってのを書きたかった。


『光』だけで構築された彼女は、自分には無い『闇』に恋し、恋人になる事で、ないものを補完していた。

主人公の『闇』は、住む世界が違うと思っていたのに、『光』からアプローチされ、有頂天になって恋人になるも、彼女が好きなのは、自分自身ではなく、自分の属性だと気づき、別れを告げる。


捨てられた事で、彼女は、それまで外部(恋人)で持っていた『闇』を、自分の中に取り込んだ。でも、その取り込んだ『闇』を持ち続けるには、彼の事を好きでい続けなければならない。みたいな、ね。



☆★☆


次のお題は〖妄想〗


ほほー。

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