第183話 終電を逃す

叶うなら「乗りたくない」と思っていた電車は、私が改札を通る前に出発していた。

「あんた。あれ、終電だよ。残念だけど、もう次は無いから…」


私は終電を逃した。

終電を逃してしまった。


目を開けた私に「奇跡だ」と目を見開く医者。


そう…奇跡。

だけど、本当の奇跡はこれから起こる。

私は、死ねない。




★☆★


あの世に魂を運ぶ電車。

死ぬはずだった"私"は、死ねる最後のチャンス電車を逃してしまったんだな。

死ぬのは怖いが、死ねないのも怖いな。


私の希望は、ピンピンコロリ。

朝、目覚めなかった。で、死にたいと思っている。

(うちの祖母がそうだったんだな)

もちろん、今はヤダよ。

最低でも2,30年後の話。



☆★☆


次のお題は〖株主〗

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