第175話 一発屋

「まぁ、ね。

こう見えて『時代の寵児』なんて言われた時もあったね。

連日連夜、引っ張り凧で…寝る時間なんてなくてさ。

うだつの上がらない仲間から、

『どうせ、"一発屋"で終わるよ』

なんて陰口叩かれてさ」


彼はまだ気づいてない。

舌を抜くを持った獄卒が、彼の嘘に聞き耳を立てている事に。




★☆★


なんだって、"一発"当てられたら上等さ。

大抵の人間は、その"一発"だって当てられないまま、朽ちて行く。



☆★☆


次のお題は〖雲散霧消〗

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