第141話 泣き虫

身近に“死”の臭いを嗅げば、子孫を残す欲望にかられるのは本能だ。

宿主しゅくしゅの“死”が近づくにつれ、私達も最後の繁殖に精を出す。

成虫の私は、この肉体と共に死ぬが、幼生達は、多く仲間が住む新たな宿主の元に向かうだろう。


私達が寄生するに良い感情を持つ者は、私達の名で呼ばれる。

“泣き虫”と。



★☆★


“泣き虫”という寄生虫の話。



☆★☆


次のお題は〖期待〗

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