第079話 泣く子も黙る 《2-025》-2⃣

砂利道で、笑い声を上げて遊んでた近所の子供達の声が、ピタリと止んで、隣の家の玄関の閉まる音がした。


赤鬼を恐れて、中に帰ったんだわ。


どうしよう。

ぐずってる坊やが、ひきつけをおこしてしまう。


建付けの悪い玄関が勢いよく開け、

「おう。御亭主様が、けえってきてやったぞぉ」

と、酔っぱらいの声。



★☆★


〖2年目:第025話 極悪非道 ③ 《2-025》-1⃣〗

https://kakuyomu.jp/my/works/16816700427843453546/episodes/16816700428445954876

の主人公が乳幼児だった頃の母親。


この親父は、特攻崩れ(っていうのかね)とか…なんつーの、「出兵して死を覚悟していたのに死に損なった」って人のイメージなんだな。(時代や立場は違うが、芹沢鴨みたいな…)。


普段は、街中(歓楽街)の方で仕事(?)をしてて、たまに、嫁と子供を住まわせてるバラックみたいな所に帰ってくるんだ。



〖泣く子も黙る〗という状態を考えたら、それこそ『蛇に睨まれた蛙』状態って事じゃなかろーか、って思ってさ。


(これは、もしや"なまはげ")

と。


だけど、"なまはげ"は、来訪神であり、「悪い事をすれば怖い思いをする」って教育的行事だから、「笑う子も泣き叫ぶ」までなので、〖泣く子も黙る〗に当てはまらない。


という事は、それに似た、尚且つ、理不尽なものを作らねばならない、と思ったわけだ。


こういうド腐れ親父は、悪い事をしてなくても帰ってくるから、トラウマ級恐怖でしかないよな。



☆★☆


次のお題は〖ペーパーナイフ〗

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