第051話 追いつく

振り返ったカレに、息を整えながら笑う。


「やっと追いついた。ねぇ。食堂に行くんでしょ? 一緒に食べよ」


受け入れる優し気な声とは裏腹に、迷惑そうに眉を顰めるこの男は、且つて私に猛アタックを仕掛けてきた男。


ようやく、あの頃のあなたの想いに私の心が追いついたのに、脇道に進んでいたなんてね。




★☆★


同じ大学か、会社か…

学食か、社食か…


入学(入社)後、すぐに男は主人公に一目惚れしたんでしょう。

人目を憚らない猛アタックに、周囲の人達からも、

「取り合えず、一回、つきあってあげれば?」

と、無責任に囃され、なんとなく、済し崩し的に、お試し的な感じで交際する事に。


奢ってくれたり、まめまめしく尽くしてくれる彼に、徐々に心を寄せるも、それを表に出すのは、なんとなく「負けた」ような気がして、つんけんな態度を、ついついとってしまう。


そうしている間に、カレに想いを寄せる後輩なんかができて、カレも、自分の財布目当てで、お情けで付き合ってくれてる(と、彼が思っている)主人公より、自分を好いてくれる後輩と付き合う方がいいんじゃないか、とか考え始めていて、それを感じ取った主人公が焦る。

って感じかねぇ。



☆★☆


次のお題は〖不愛想〗


〖不愛想〗といえば、ジロちゃんだな。

さて…どう書くかな。

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