第34話

「……ッ!?あのガキはッ!?」

 

 ダンジョンより出てきたマキナとミリアを見てダンジョンの前に待っていたガンジスが声を張り上げる。


「途中でなんか……良くわからない黒いものが地面から出てきてアルを引きずり下ろしちゃって……」


「あの御方であれば問題はないでしょう。今、話すべきはあなたが負けたあれについて。あれは階段を上がり……最悪地上にまで出てくる可能生がある。さっさと周りにいるゴミたちを片付けるべきね」

 

 ミリアの口よりものすごい言葉が飛び出し、野次馬の如く集まっていた民衆が眉をひそめる。

 当然の反応。

 余所者からゴミ扱いされて何も思わない人は居ないだろう。


「いつものことながら口が悪いんだよ。でもその意見には同意。早く退散しな」

 

 

 ドンッ!!!!!!

 

 

 マキナの言葉。

 それを遮ってこの場を轟かせる爆音が響き渡る。


「「「「「……ッ!?!?」」」」」

 

 轟音のした方を振り向いた全員が驚愕の声を上げる。

 

「うそ……だろ?」

 

 土が湧き上がり、大地がえぐれ、ダンジョンの入口であったお粗末な小屋が吹き飛んでいく。


「謌代?驍ェ逾槭↓驕ク縺ー繧後@螟ァ縺?↑繧句ュ伜惠?∝・ウ逾樊ァ倥r谿コ縺励◆莠コ髢灘?縺ォ螟ゥ鄂ー繧剃ク九☆閠?シ∵?縺ッ驕ク縺ー繧後@閠?↑繧奇シ∬イ?縺代〓雋?縺代〓雋?縺代〓縺?シ√≠繧雁セ励〓繝?シ√≠繧後′驍ェ逾樊ァ倥↓鬲??繧峨l縺溘↑縺ゥ縺ゅj蠕励〓縺ョ縺?繝?シ」

 

 そして、姿を表すのは強大な黒い影の魔物だ。

 ただの一般市民であっても感知出来るほどの圧倒的な力をその身より溢れ出させる怪物が、地上に降りたつ。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!!」


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああ!!!」


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 民衆たちが大きく悲鳴を上げて脱兎の如く逃げ出していく。 

 いや、逃げているのは民衆だけじゃない。冒険者たちも同様であり、貪欲に民衆たちを押しながらの全力逃亡を魅せていた。


「クソッ!何故ッ!?」


「はやッ!!!」


「……ッ!」


 この場に残った少数の冒険者たちは己の『神より宿し天命』を展開し、決心の覚悟で魔物へと向き合った。

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