第二章 SS級冒険者

プロローグ

「……お前は一体何者だ?」

 

 アルビナ帝国、帝都。

 世界最大の都であるアルビナ帝国、帝都の壮大さは圧巻の一言であり、また帝都の闇も圧巻であり世界最大である。

 

「ん?見てわからないかな?……結構有名だと思うんだけど」

 

 世界最大の闇の中で最大規模の版図を築いている裏組織の長。

 強面の大男は小さな……本当に小さな五才児くらいの少年に畏怖の視線を向け、体を震わせていた。 


「ふ、ふざけるな……帝国の第三皇子は『神より宿し天命』を持たぬ能無であったはずだッ!お前はッ!お前は……ッ!いったい……一体何者なのだッ!?」

 

 強面の大男は恐怖のまま叫ぶ。

 そんな男の前に立っている小さな少年、アルビナ帝国第三皇子である少年は強面の大男に向けて笑みを浮かべる。


「見たままに決まっているだろう?……僕はアルビナ帝国の第三皇子だよ。間違いなくね。裏の一つや二つくらい持っているに決まっているだろう?くくく……」

 

 少年は楽しそうに笑いながら、強面の大男の肩へと腕を伸ばす。


「ヒッ」

 

 強面の大男はただそれだけで悲鳴を上げる。


「僕は頂点に立ちたいんだよ。……何故だろうな。俺様の本能が囁くんだよ。万物を食らって頂点に立って……ってな」

 

 少年は笑いながら、強面の大男の顔を撫でる。


「なぁ……俺様が頂点に立つため。利用されていろ。当然、裏切りは許されない。わかっているだろう?」


「あ、あぁ……」


「よろしく頼むよ。僕は正攻法じゃ上に行けないんでな。闇を最大限に利用させてもらうよ」

 

「……」


「全ては俺様が皇帝になるために」

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