第24話
「どうしたの?」
僕はマキナにその場に留まっているように指示した後、駆け込んできた冒険者たちへと話しかける。
「大変なんだッ!魔物が……ッ!魔物が……ッ!」
「魔物がどうした?……落ち着いて喋ってくれ」
「魔物が階段を使って登ってきたッ!下層にいる強力な魔物が上層へと来ていやがるんだッ!急がねぇと地上にッ!」
「「「……ッ!!!」」」
男の言葉。
それを聞いた冒険者ギルドに居る全員が驚愕し、引き攣った声を漏らす。
「なるほど」
そんな中でも僕は冷静さを保ち、口を開く。
「今すぐに僕が行こう。君は怪我の手当を。ひどい状況だ。受付嬢さんはギルドマスターを呼んできてくれ」
「ちょっと待てッ!今は緊急事態だッ!己の利益よりも全体を考えるべきだッ!俺たちが」
「僕の方が強い。マキナは家で待ってて」
僕は冒険者ギルドから飛び出し、急いでダンジョンへと向かう。
……魔物を外へと出すわけには行かない。マキナの表情を頭に思い浮かべながらダンジョンへと走った。
「良し。まだ出てないな……すまないッ!」
僕はダンジョンへと入るためのドア……そこに溜まっている冒険者たちを無理やり力で押しのけ、ダンジョンの中へと入る。
「……っ」
ダンジョンの中。
入っただけで理解出来る……何かがおかしいと。ダンジョンに流れている空気感がいつもと大きく違っていた。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「ここでッ!ここで止めるんだッ!でないと地上にッ!!!」
ダンジョンを少し進んだだけで冒険者たちの決死の声。
そして。
「菫コ縺ョ蜷榊燕縺ッ諢牙ソォ縺ェ鬲皮黄蛛牙、ァ縺ォ縺励※鬆らせ縺溘k鬲皮黄ッ!!!」
理解出来ない……魔物の雄叫びが聞こえてくる。
もう一階層まで来ているのか……。だけど、なんとか間に合ったみたいだ。
「後は任せて」
近づき、見えてきたのは死屍累々の冒険者たちと見たことない異様な魔物。
僕は大地を蹴り、異様な魔物へと飛び蹴りを放ち、大きく吹き飛ばす。
「ッ!あんたはッ!」
「アルッ!」
死屍累々の冒険者たちは……Bランクにも満たないにも関わらず、決死の覚悟で戦い、足止めを行っていた冒険者たちが僕のことを救いの女神を見るかのよう視線で見つめてくる。
「後は任せろ。あれは俺が殺す」
それに答えるように僕は強い言葉で頷く。
「『神より宿し天命:弐式:天魔之明暗刀』」
僕は『神より宿し天命』を起動し、二本の刀のうち、小さな刀を手にとって構えた。
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