第124話 みんなの勝利

「ユウタさん、アリエッタ。お疲れさまでした」

 リューネが慈母のような優しい笑みを浮かべ。


「2人ともお疲れ! やったね!」

 ルナは元気いっぱいに右手の親指を立ててグーをする。


「黒い鳥さん、すっごくカッコ良かった!(*'▽')」

「お疲れさまでした」

 キララとクララも最高の笑顔だった。


「みんなお疲れ。最後はアリエッタの超火力でケリがついたけど、みんなの力が集まってジラント・ドラゴンに勝つことができた。俺も最後はみんなの魔力が流れ込んできて、あれで俺も心が奮い立ったからな」


 本当にこれはみんなで掴んだ勝利だった。


「ま、わたくしが欠けていたらこの勝利はなかったでしょうね」


「それを言うならリューネでしょ? アタシたちの魔力をユウタくんに届けてくれたんだし」


「そんな、そもそも私は直接は戦っていないので、みんなほどの貢献度は……」


「ねぇねぇ、キララの力は!?(>_<) キララも頑張ったよ!(*'▽') 褒めて!(*''ω''*)」


「お姉さまもとても頑張りましたよね。今日は帰りにケーニッヒ・クローネのモンブランを買って帰りましょう。お姉さまの大好物ですよね」


「わーい!✨\( ॑꒳ ॑ \三/ ॑꒳ ॑)/✨」


 誰か一人でも欠けたら。

 誰か一人でも諦めたら。

 俺たちは負けてしまっていただろう。


 ジラント・ドラゴンはそれほどの強敵だった。

 なにせ神騎士LV99のフルパワーのSSランク魔法を連発しても倒しきれなかった相手だ。

 本当によく勝てたもんだ。


 俺たちが心の底から勝利を分かち合っている間に、ジラント・ドラゴンが生みだしていた漆黒の結界が完全に解け、解けたと同時にブレイビア王国騎士団の姫騎士たちがなだれ込んでくる。


「結界が解けたぞ!」

「全員突入! Go! Go! Go!」

「ドラゴンはどこだ!」


 どうやら結界の外で臨戦態勢で待機していたらしい。


 その中に見知った顔がいるのを見つけた。

 エレナ会長とレベッカ先生だ。


 レベッカ先生はそもそも所属はブレイビア騎士団で、しかもエース級だし、エレナ会長は学園生が取り残されていると知って学園を代表して来ていたのかな?

 推測に過ぎないが、当たらずとも遠からずといったところだろう。


 2人は最初は硬い顔をしていたが、俺たちが全員無事で集まっているのを見て、ほっとしたような顔に変わった。

 すぐに数名の姫騎士たちと連れ立って、俺たちのところに歩いてくる。


「さてと、いろいろと説明しないといけないよな。もうひと踏ん張りするか」

「ふふん。私たちがいかに勇敢に戦ったかということを、説明しないといけないものね」


 アリエッタが勝気に微笑む。


「ま、これも勝者の務めというものですわね」

「ジラント・ドラゴンに負けていたら、そんな機会はありませんもんね。もうちょっと我慢です」


 ユリーナとリューネも仕方ないといった顔でうなずいた


「え~、キララすぐ帰りたい~!(>_<) モンブラン買って帰る~!(>_<)」

「お姉さま、特別に2個、いえ3個買ってあげますから、もう少しだけ我慢していてくださいね」

「3個も!?(*'▽') 分かった!(*'▽')」


 キララは相変わらずだし、クララはキララの扱いがもう完全に手慣れちゃっているなぁ……。



 この後、まずは簡単にジラント・ドラゴンを討伐したことを説明して。

 詳しい話はブレイビア学園に帰ってからってことになったんだけど。


 最後の最後に、思わぬオチが待っていたことを俺はすぐに知ることになる。



――――――


~〇〇無双~ 名門魔術学院を首席で卒業した俺、次席卒業の大手魔術企業のボンボンに逆恨みされて就活を妨害され、無職になる。「そんな時に出会ったのが、この〇〇でした」

https://kakuyomu.jp/works/16817330665708036201


「カクヨムWeb小説短編賞2023」の新作短編です!


前後編でパパッと読めるスカッとジャパンなお話ですよ!✨\( ॑꒳ ॑ \三/ ॑꒳ ॑)/✨


なにとぞよろしくお願い致します~(ぺこり


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