ただ、一つの愛(一話のみ)

吉日一筆師

ただ、一つの愛

微かに薫る趣きは、

一閃に画す。

度々、、

切実に想うは、

彼の背中。


何とも

慈しみがある、

温かみがいる、

哀しさが匂う。


何故と言わば

彼なりの愛を語る

その言葉、一つ一つの落ち葉に

寂しさ、虚しさが宿る

そしては背を向けて今

彼は征く。


酷く無惨な無意味へと赴く

彼は正しくあるとは考えず

彼は別の愛の形を知らない

不器用だと知っていながら

彼を否定している。


本当に行って終うのだろう

其の背を見届ける事しか出来ない

もどかしさ、苛立ち、悲しみ

そればかりに突き動かされ

叫ぶ。

唯の我儘を彼へと叫んだ。


彼は暫し突き抜かれた様な足取りで

首を少し動かしその背で語る。

またもや不器用でそして愛に満ちる答えだろう

それが確実では無かろうと

彼を信じる事しか出来ない

しかし、先ほどとは違い少し

彼に信用は出来た。


そして、彼を一杯に見送る

一滴で零れる位の感情を堪え

一生懸命に祈り、応援を賭ける。

それが虚しさを抑える自己満足だとて


ただ、それが私にできる愛なのだから。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ただ、一つの愛(一話のみ) 吉日一筆師 @amamiti1130

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ