第3話 初めてのダンジョン
入門所を出て、再び先ほどの受付のお姉さんの元へ行く。
「あら、揃えてこられたのですね。剣と盾、とてもお似合いですよ」
お姉さんのにこっとした笑顔にドキっとする。よく見るとすごく美人だ。
ダンジョンという今最も騒がれている産業の受付さんともなると、やはりこんな人がなるのか。
「それではお手続きいたしますね。こちらに手をかざしてくださいね」
<ステータス>を覚えた時と同じように紋章が書かれた板の上に手をかざす。<ステータス>の時といい、こんなものは異世界にはなかった。
やはり物事をより便利にする、という点では現代の人間はかなり優れている。
「はい、終わりましたよ。これで
「ありがとうございます」
「それではお気をつけていってらっしゃいませ。あ、あまり奥の階層へは進んではダメですよ。初めての方はなるべく第1層がよろしいかと思います」
「わかりました」
お姉さんの助言に軽く返事をして、いざダンジョンへ潜る。
★
「相変わらずデカイな……」
受付からずっと奥に進んだ先、その巨大な入口の目の前に立ち、久しぶりにその大きさを噛みしめる。
「東京ダンジョン」の入口は、縦横それぞれ20メートルほどだ。ちらりと左右を見渡せば、同じく今から潜ろうという者、傷を負いながらダンジョンから帰ってくる者も見られる。
「おれもいくか」
入口から入った先には長く下に続く階段がある。おそらく人工のものだろう。その階段を下りきり、門の前に立つ。
この先はいよいよ第1層だ。
「さて、狩るか!」
第1層の門を開け、それなりに奥へと進んでいく。
入り組んだ構造、薄暗いダンジョンの中、前方に見えるは【スライム】、【コモドオオカミ】といった第1層によくいる魔物だ。
まだ魔物との距離はある。だが、おれには関係ない。
力を試すにはこれぐらいがちょうど良いかな。
剣は腰に
『上級魔法
おれの右手から紅に
そしてその光は一瞬輝きを放ち、──消えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます