異世界転生の世界線
異世界転生の世界線~選択編~
記憶がない。
なにも思い出せないし、思い出そうと思うとなにかが邪魔をする。
性分が能天気なのか、記憶がないことより、思い出そうとする方が怖かった。
寧ろ記憶がないのは、それで楽しかった。
『ヒナ』
助けた女性はそう言った。
その時、思い出す。
自分が”セキ”と名乗っていたことを。
いつ? どこで? 誰が?
そんなことは分からなかったが、少なくとも”そうだった”としか言えなかった。
セキはしばらく、ヒナのところで居候となった。
ヒナの住む国は酷い有様だった。
国にはドラゴンが住み着き、ドラゴンの恐怖、そして、度重なる飢饉で国が滅びかけていた。
セキは助けて貰ったヒナに提案する。
「逃げよう」
ヒナは戸惑う。
それが最善の策かは分からないが、セキはそうしたかった。
『できない』
ヒナは断った。
ドラゴンが咆哮し、国を恐怖のどん底へ突き落す響きが聞こえる。
ヒナはドラゴンの生贄になるところだった。
【選択】
①ヒナを連れて無理矢理逃げる ⇒ 異世界転生の世界線~世界の真実その1~に進む。
②ヒナのために国に留まる ⇒ 異世界転生の世界線~国の真実その1~に進む。
③ドラゴンに立ち向かう ⇒ 異世界転生の世界線~ドラゴンの真実その1~に進む。
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