もう「受かったやつが泣くんじゃない!」なんて言わない
島尾
浪人している今日、思うこと
君がいないと なんにも できないわけじゃないと
シャーペンを手に持ったけど 英語も数学もわからない
ほら点数も君よりか良いもんね だけどあまり納得いかない
君がもっと賢かったのなら 文句も思い切り言えたのに
一緒にいるときは 窮屈に思えるけど
やっと見下せるヤツを手に入れた僕はもっと 寂しくなった
さよならと 言った君の 気持ちは劣等感だろうけど
いつもより眺めがいい 左に少し 虚無感あるよ
もし君に 1つだけ 強がりを言えるのなら
もうペンなんて持たぬなんて 言わないよ絶対
2個並んだ消しゴムも 1個捨ててしまおう
君の趣味で買った参考書も もったいないけど捨ててしまおう
「男らしく 潔く」と ゴミ箱抱える僕は
クラスのだれから見ても 一番キショいだろう
こんなにいっぱいの 君の抜け殻集めて
無駄なものに囲まれて暮らすのも 幸せと知った
君宛の合格通知書が ポストに届いていた今日は
まだ分からない自分自身の合否を思って 心配だけど
2人で出せなかった東北大の入試問題の答えは いつか出会える君の知らない誰かと 見つけてみせるから
本当に 本当に 君が大好きだったから
もう「受かったやつが泣くな」なんて 言わないよ絶対
もう「受かったやつが泣くんじゃない!」なんて言わない 島尾 @shimaoshimao
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
紅葉と渋滞/島尾
★17 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます