第6話

サンプル数24で平均値が72。

中央値が68だから、大体正規分布、あまり偏りなく分布してるっぽい。

とはいえ、1位の200(私なんです)と2位の95は差ありすぎだし、最下位でも48だから200は異常値としてカウントしないほうがいいのかも。

あとあれだ。トヨタさんの「i」。これは明らかにバグだろうし、とにかくレイチに報告だな。


データを送って2分と経たないうちに返事がきた。

レイチ、待ちわびてたな。


レイチ:データ取ってもらってほんとにありがとう。大体想定内の数値なんだけど、ヨナミの値が問題だなあ。


私:異常値レベルでしょ?


レイチ:うん、この位の数値は出ることあるはずだけど、問題はこの数値出した人間が研究職じゃ、ないってこと。


私:…^^;


レイチ:私の周りで数人試したけど、せいぜい120までしか出なかった。あ、1人いた。


私:ジョイ?


レイチ:そうそう。あいつ204だった。まああいつならその位でそうじゃない?


私:私は出そうじゃない?


レイチ:いや、出ると思ってた。だから装置渡した。


私:ほほう。


レイチ:ね、研究職になりなよ。私のところでよければ、先生に言えばすぐだよ。


私:うーん。でもジョイですらああなるほどの圧なんでしょ、研究で成果出すのって。


レイチ:そのことなんだけどさあ、実はいろいろあってさ。そういえば、もらったデータでバグ出てたでしょ?


私:i?


レイチ:そうそう、それ。それ、バグじゃないっぽいんだよね。少なくともジョイはそう言ってたし、そう発表しようとしてた。


私:え?虚数値が出てるのに?


レイチ:まあ詳しいことは会ってから話そ。今夜空いてる?


私:うん、休みだし今からでもいいよ。


レイチ:じゃ、19時にこの店で。


虚数値がバグでなく、ジョイがそれについて発表しようとし、そして捏造疑われて追放された?

何これ、むっちゃ興奮すんじゃん。

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