第13話 神族の末裔

士官学校つかダナーンズ養成機関を卒業・・・育成プログラムを終え、配属先の宇宙港(軍民併設)で別リージョンから合流する仲間を迎える。

ジュリアンの友人であたしの彼氏でもある。


ゲートをくぐると同時にコチラをみとめ、帽子を手に振ると煌く頭・・・すこし広めのヒタイが眩しい。


「ダナーンズへようこそ。バルフィンド中尉」


「これで俺もダーナ神族の末裔か」


「だーなしんぞく?」


「UD世紀以前の地球の神話らしい」


「はぁ~、博識じゃん。無駄におじさんしてないわねw」


「前世持ちに言われるほど生きちゃねえよ」


互いに笑みを漏らし、抱き上げられ、チュー。


再会のキス。

長い長い男旱りの所為で、もー女扱いされるだけで嬉しい。


どっかから(えっ?こどもじゃないのか??)とか声がするが聞こえない。





ん~、でもちょっと疲れが見えるアジね。


求められてるのはうれしいけど、先ずは食事かな、などとデートのコースを組み始めたトコで肉を叩くような音と共にエンリカの悲鳴。


ちっ、なんなのよ。


「俺たちをダナーンズと知ってのことか?!」


うわ、超三下ぽい。

尺の節約の為に陳腐なセリフしかもらえなかった同輩を憐れむ。

しかしエンリカの快方の元倒れてるジュリアンをむちゃくそ睨んでる美少女がいるのみで、オラつき系男子のカゲもなんもないんだけど・・・


「軍人ならヒトを舐めるのも気分次第ってか?ツルまなきゃ喧嘩もできないチキンに女呼ばわりされたかねぇなあ!?」


ショック!美少女からイキリ男子系シャウトが飛び出し、何かいてはいけない異次元に迷い込んだような強烈な違和感にルフィー(ハゲ)へ倒れ込んでしまう。


「おい、らしくないな・・・いや、しかしアイツ0G下の三対一で・・・やるもんだ」


体を離され、荒場へと向かってしまう。

ああ、女を置いて戦場へ向かうのね・・・いつもより光ってて(頭が)ステキ・・・


いや、背後から見ると神はかなり残っている。

髪、だ。


ぼっ立ちで見てると殴りかかってきた美少女(仮)の腕を掴みひねってあっという間に制圧してしまった。

ええ・・・殴り合いとかしてよ。介抱できないじゃん。


ミリポ(MP)が駆けつけたとこで前に出ていく。


「この件はダナーンズが預か・・・収める!ミリポはそこで待て」


コッチのトラブルなのに預かるとかねーですよわ、と言い直した。


「みりぽ?」


「・・・あ、俺たちのコトか」


んのぁああ!クソガキッ!とイキり上がるジュリアン中尉をのけ(三下役を務め殴り散らされたフタリに退けさせた)、宇宙港の冷たい床に押し付けられた美少年にかがみこむ。


「ケッ、仲良くお仲間集めてリンチかよ?好きにしろや!」


「・・・ケッ、だってw」


上から見下ろして冷笑すると、少年のイキリ目が燃え上がる。


「おいハマミ、煽るなよ。収めるんだろ」


わかってるわよハニー。


「ごめんね、お兄さん。ウチのモンがなにかしちゃった?」


ウチの者とか、ヤクザ映画か!


「なにか、だと?全部さ。揃いの制服おべべでいい気になってる貴様らダナーンズはなんもかんも全部が気に入らねんだよ!」


目に入るだけでな、と笑う美少年。

その激高に口元を吊り上げた顔をまじまじと見る。

前世の私たちは相当な美形につくられていたハズだけど、なんつか・・・これも自然の力が作り出す真の美しさの極致というのか。

少年の美貌に唯々、ため息しか出ない。


「ちっ、偉そうにため息かよ」


「あー、ダナーンズへの不満が原因だとね。たぶんミリポに渡しても同じなのよね~・・・向こうのジュリアやエンリカが侮辱的なふるまいをした、とかないの?」


「へっ、女みたいだなんて言われんのは日常茶飯事さ。相手がてめぇら以外なら相手にしねえよ」


少年(と呼ぶにあたしの体形が甚だうしろめたくはあるが)の逆上レベルが下がるに合わせ、ルフィも拘束を解く。


「空手やってんのか?」


「ああ、あんたはレスリング?」


「普警で柔道剣道やってたからな、それだけ」


「あっさり掴みやがって」


「打撃オンリーだと実践的な組手出来ないだろ、差し合い強くなりたきゃ柔道かボクシングもやったら?」


アタシのハゲ取んないでよ!と、両手をパンパン打ちながら会話を遮る。


「ハイハイハイハイ男子系トークはそこまで!あんたは名前も住所も聞かないから家に帰りなさい」


「そりゃねえぜ!コッチのメンツはどーなんだよ」


背後から物言い。まぁ当然かw


「三対一であっさり散らされたんだから負けでいいでしょ。たいしたもんだ、とか上からの目線で余裕ぶるくらいしなよ」


エンリカが致命的な煽りを激発。

自分(とカレシ↑)のメンツにしか興味のない女一流の舌鋒がジュリアン達の心を砕いた。


「処刑人風情がメンツとか笑わせんな!」


美少年から謎の追い打ち。


「処刑人?て??」


ルフィがこちらを見る。


「あたしも知らない」


英語だとエグゼ・・・クティブとかいうんだっけ?

三下役を見事にやり切った同輩男子に視線で問う。


したら青あざついた視線を遠慮がちに返され、解説さる。


「いや・・・なんかおまえら皇公臣族の生き残りを探して殺しまくってるのが我らだというウワサが、な」


私「は?」


ルフィ「は??」


少年「おまえ、等?」


美少年に見つめられては仕方がない。


「ひかえひかえ~~~い!神聖皇帝第256代今上陛下御一家の軒下、第二親等ザイオン公家三男が娘、公女ハマミとは我のことであ~る!」








うわ、おもっくそ白けた。軒下は不味かったか・・・いや、でも軒くらいだよな~どー考えても。しかも偶に瓦が脳天に落ちてくる系の・・・



「あっ、ちなみに皇位もあるのよ?たぶん・・・何位だかしんないけど」


あるのかないのかもわからんカンバンを持ち出すくらいツメられてる自尊心が悲しい。


ちな前々世で聞いた話だが、高い皇位をもつ親王にあっては先ず即位の目が無くとも践祚鶏鳴の悪夢に真夜中に飛び起き、闇の中全身の滝のような汗を拭いながら夢であったことを感謝(誰にだ・・・)することもあったという(出展自粛)。





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丸パク進行再び。ダナーンwww

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