第12話新たなる関係
義理の兄妹だって事を知って、真宙は、黙っていたのだった。
「じゃあ、お兄ちゃんと、交際出来るんだよ」
真宙から、とんでもない申し込みをされた颯は、戸惑いを隠せないでいた。
「えっ?何で、いきなり、ぼく達兄妹だって事忘れて無い?」
「忘れて無いよ、小さい頃から好きです、結婚を前提に付き合って下さい」
「ぼく達兄妹だよ、結婚は、出来ないと思うけど」
颯は、当然の疑問を真宙に告げた。
すると、真宙から、とんでもない事を告げられる。
「血の繋がりが無ければ、兄妹だって婚姻届が受理されるんだよ、お兄ちゃん、
知らなかったでしょう?」
真宙から,とんでもない事を聞かされて思考回路が止まる颯だった。
「ダメなの、お兄ちゃん?」
真宙は、上目遣いと瞳をウルウルさせながら、颯を見るのであった。
「うぅ、それは、卑怯だぞ、ぼく達兄妹だって事には、変わらないのだよ」
颯は、正論を述べて、諦めさせようと考えた。
「それは、そうだけど、この気持ち、もう抑えられないよ、だからね、
お兄ちゃん、私の彼氏になって下さい」
真宙は、そう言うと、颯の唇を無理矢理、自分の唇で塞いだ。
数十秒後、唇と唇を離した、真宙と颯は。
「お兄ちゃん、これで信じてくれた?」
「あぁ、けど、やっぱり、ぼく達兄妹だって事は、変わりないでしょう」
「それは、二人の愛で乗り越えようよ」
「それ以前に、未成年と付き合うと、兄ちゃんが社会的やばいのだけど?」
颯は、なり立てのプロレーサー人生を、終わらせたくは無かったのだ。
「それなら大丈夫、両親公認なら、問題無いのだよ、お兄ちゃん」
「そんなに上手く行くわけが、あるわけが無い」
颯は、ちょっと焦っていたのだった。
それは、こう言う状態の真宙には、何を言っても聴かないからだ。
「両親の問題なら、大丈夫だよ、お父さんが、お兄ちゃんになら、
嫁いでも大丈夫だって、言っていたよ、お母さんもお兄ちゃんに嫁ぎなさいって、
言っていたよ」
既に、真宙が両親の事を説得済みのようで、颯の周りを既に固められていた事に颯は、ようやく気が付いた。
「ま、真宙、やっぱりぼく達兄妹だって、これだけ、固めても世間の目が、」
「それなら大丈夫、親戚の人達も賛成してくれているよ」
「えっ?既に親戚の人達への根回しが終わっている!」
「てことで、お兄ちゃんは、私と付き合うしかないよ」
「ちょっと待て、何で、お前とだけ、付き合わないといけなのだよ、
お前以外の女性とだって、出逢うかもしれないだろう」
「それは無いよ、今まで、お兄ちゃん彼女さん出来たっけ?」
真宙から、悲しい一言が放たれた。
「出来ようとすると、必ず、お前が邪魔をしに来て、阻止していただろう」
「そうだっけ?」
颯に彼女が、出来ないのは、どこで嗅ぎつけ、告白時や直後に現れて成立を阻止していたのだ。
そのため、同級生間では、シスコンの颯と周知されている。
「もう、彼女さん出来ないのだから、私にしなよ、お兄ちゃん」
「それは、どう言う事だ?」
颯は、真宙の言った言葉が気になった。
すると、真宙からとんでもない事を聞かされた。
「だって、同級生の間でシスコンって知れ渡っているんだから、この状態で、
どうやって彼女さんを作るの?無理だよ」
「それは、これから、頑張れば、出来るかもしれないだろう」
「無理だよ、お兄ちゃん現実をちゃんと見ようよ、ここに家事も炊事も掃除も洗濯も出来る上にお兄ちゃんの性格も完璧に把握している人、他にいないよ」
真宙から、自分が颯の嫁に相応しいと遠回しにアピールしていた。
「確かに、嫁としては、最高の条件だけど、その前に年齢でアウトだろう、お前は、まだ、15歳だろう、これでは、婚姻届は受理されない、受理されるのは、
満18歳以上の成人した男女のみだよ、だからね、諦めなよ」
颯は、真宙に現実を突き付けたが、真宙は、
「知っているよ、だからね、18歳になるまでは、カレカノでいて、18歳になったら、籍を入れてください」
真宙は、諦めが悪く、狙った男性を確保するまでは、どんな手段も辞さないのだ。
颯は、観念したというか、諦めたというか、真宙に折れたのだった。
「真宙、もしも、これを断って、他の女性を彼女にしたら」
「その時は、あること、無い事をその人に吹き込んで別れさせるよ」
颯は、遂に白旗を上げて真宙と交際を始めるのだった。
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